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『…ん…、』
目を開けて見たのは、知らない天井。
活動していない頭であやかはゆっくりと上半身だけ起き上がって周りを見る。
(そ…か、あのまま寝ちゃったのか、)
寝ていたのは、あのソファーで少しだけ身体が痛くなったがゆっくり伸びをして立ち上がる。
カーテンを開けて外を見ればまだ暗く、夜明け前だった。
(今、何時だろう…)
高校の制服のままで寝ていたので、かなりくしゃくしゃだが、ポケットから携帯を取り出す。
開いて時間を見れば、まだ4時過ぎだった。
待ち受けは、あの子とのプリクラで…少し前が滲んだけど直ぐに拭って前を見て口を開く。
『…、すす、まなきゃ…だよ、ね。ウジウジしてたって、意味無いんだし。』
意味なんて考えずに、声に出していたけど、それは多分自分自身に言い聞かせるため。
携帯を閉じ、胸の前でギュウと両手でそれを握り締めていた。
『…がんばれ、私。』
そう呟いてから、携帯を机に置いて、自分の両頬を両手でパシンッと叩く。
(いたい…でも、気合い入った。)
取り合えず、この家には慣れなくてはと思い、洗面所に向かう。
鏡の前の私はやっぱり小さくて、違和感があったけどその目は、いつもの私の目に戻っていた。
そのままお風呂に入って、シャワーだけを浴びてから出る。
クローゼットを戸惑いがちに開ければ、見たことのある制服。
『私…、立海生に、なるんだ…』
もう、高校じゃない。もう一度中学からのやり直し。でもそこが嫌なんじゃない。
不思議で不可解で…どうしようもない感覚があやかの身体の中を駆け巡った。
それでも、ゆっくりとその制服に手を伸ばし、着々と着ていく。
全てを着終えて、等身大鏡で自分の姿を見れあば、また変な気持ちになった。
頭を振ってから、もう一度あのソファーへ座りなおす。
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