★
□06
1ページ/2ページ
この立海大付属中は、とにかく大きい。
外観も迷うんではないかと思うくらいに大きい。
(実際私はこの3日間で数回迷いかけた。あ、後今は5月の始めで前の世界から3年と数ヶ月前らしい。つまり、原作より1年前に来てしまったようだ。)
おっと、そんなことを言いたい訳では無く、外観だけでなく授業もまた幅広く受けられるようになっているのである。
だが、必須。という訳ではなく、選択授業という形になっている。
だが、幅広い為人気も偏りが激しいものもあり、(普通は学年で分けられるが)学年関係無しで1.2クラスに分けられる事がある。
(何故私がこんなことを説明しているのかというと、私が選択した教科に居たからである。
しかも、隣の席というオプション付きで…出来るだけ関わらないように過ごそうと決めた…、テニス部の(しかも)レギュラー様が。)
とわ言えそのレギュラーは、丸井ブン太…ではなくそのダブルスパートナー、ジャッカル桑原であった。
確かに関わらないことを希望していたため、一瞬顔を顰めざる終えなかったがその後ホッとしたのは少し罪悪感を感じた。
(決してこの人がイケメンじゃないとは言わない。確かに顔は整っていると思う。)
だか、周りのレベルが…美形度が高すぎた。
レギュラーの中でどうしても彼は影の薄いほうに入ってしまうものである。
さらに言えば、彼は話せば判ってくれる常識のある人物。
だからこそ最小限の関わりで済み、友人関係で居られる。
ここでわかった方もいると思うが、つまり今、私は無理に関わりを断つのではなく良き友人、良きクラスメイトとして過ごしているのである。
(ついでに選択したのは美術。クラスは2つに分けられ、私と彼は2つ目所詮美術Bクラスである。)
――そして、
「はあ…」
『元気ないね。また部活関係?今度は何があったの?』
「聞いてくれるか、水瀬…」
『勿論。ジャッカル君の事だし、愚痴なんて私くらいにしか言えないんでしょ?』
「毎回悪いな…」
『それなりに楽しませて貰ってるから大丈夫。』
現在、名字+さん付けで敬語という壁を乗り越え私、あやかは彼の愚痴の吐き口となっていた。
!