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『…ん…』




小さく声を零して読んでいた本から顔をあげてゆっくりと首を回す。

不吉そうなゴキコキという音を立てたがあやかは気にしないで周りを見た。

今、あやかが居るのは図書室だ。

転校初日に言われた通り、彼女は図書委員として仕事をしていた。

読んでいた本に栞を挟み、ゆっくりと閉じてあやかは思考をめぐらせた。



この世界に来て、4日目。

いつまで日目なんて言うのか判らないが取り合えず今日は4日目。

所詮、木曜日である。(まあ、追加すると仕事は2回目、火曜と木曜が当番である。)

(更に説明すると、当番は朝番か昼+放課後の2つにひとつである。朝番は週1だが昼+放課後は週2。)

で、関わりたくないなあと思っているテニス部にも結局飛ばされたあの日以外会っていない。(勿論、ジャッカル君は除く。)

それはそれで良いことだから、よしとする。


(出来れば今後も関わらないようひっそりと過ごしたい。)


そう思った瞬間に、目の前に人影がかかって本が差し出される。

慌ててそれを受け取ってから、話しかけようと顔をあげた。

そして、固まった。




「それを借りたいんだが。」

『………、あ、はい。判りました。えっと、カードは…。』

「これだ。」

『…は、い。確かに、お借りします。』




目の前に居たのは、立海の三強のおひとり…参謀こと、柳蓮二だった。

戸惑い、どもりながらもゆっくりとその作業を進める。

パソコンに柳のデータを入れてから、借りる本のデータを入れてエンターを押す。

パソコンのディスプレイに完了の文字が出た事を確認してから本とカードを彼に渡す。




『…はい、完了しました。返却日は今日から1週間後です。』

「ふむ。悪いな。」




なかなか受け取ってくれないのでどうしたのかと上を見れば、柳はデータをノートに書き込んでた。

その姿に何のデータを今書き込む必要があったのかと思いながら首を傾げる。

















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