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□40 団欒
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「…まあ、朔が思っている通りだと思うよ。」
『そーか。』
「キレが無い、速さも無い、パワーも無いから球が軽い、体力も落ちてるから粘りも無い。」
『ふはっ、駄目だしオンパレード!ま、当たり前だけど。』
練習してない奴が毎日死ぬほど強くなりたいと思い続けて練習している奴に勝てるわけが無い。
それは事実で真実で、当たり前なことだ。
『…そっち、気付いたことは?』
「あの女嫌いだ。」
『隼人の印象は聞いてないんだけどー?スクアーロ?』
「あー、何回か仕事をチビらに押し付けてきただけで手は出されてねーなぁああ。」
『ちょ、桜乃 朋香、押し付けられてたの!?』
「いやえっと、その。」「大丈夫です、殴られてないんですし。」
『え、殴られてたら…多分、オレ…殺っちゃうし★』
「笑顔で怖いことさらっと言ったーっ!?」
にへらっとへらへらした顔で笑っているが表情とセリフが合ってない朔に綱吉がツッコむ。
それは冗談だけど、と付けくわえてフォークを銜えて腕組みをして椅子を前後に揺らす。
『でもま、流石にこのまま状態に変化が見られないのはなあ。』
「…あの今井のことだ。明日にはまた何か行動起こしてくるぞ。」
『だよね、それで悪い方ばっかにいくのは阻止したいしー。』
銜えたフォークを器用に上下に揺らしていたのを止める。
揺らして椅子も止めて、机に両肘をつけて指を組んでそこに顎を乗せる。
その状態で瞼を下ろして食べ終えた皿へ目線を落とす。
『うーん、やっぱ実行するかなあー。』
「アーン?実行だァ?」
「何か考えとることでもおるんか?」
『一応、ねー。あいつらの目を覚まさせてやるのに手っ取り早い方法?』
まあ、これはこっち側も大変なんだけど。と付けくわえて目線を後ろへ向ける。
みんながみんな眉間に皺を寄せてあたしを見つめた。
でも、それがあいつらにガツンと効くクスリになるだろうは確かだから。
『あのさー、手伝って欲しいんだよねー。』
人肌脱いでやろうじゃないか。
なんてってそっちの方が楽しいだろ?
目線をあげて、全員と目を合わす様にぐるりと見回してにっと口元を上げた。
(作戦、開始。)