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□42 筋トレ
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「おい、塚本。」
『(うわ、何で話しかけてくるかな。嫌ってんなら関わんなきゃ良いのに。)…何。』
「お前、俺らより遅かったら千春に謝れよ。」
『はあ?』
「だから俺らより遅かったら千春に謝ってもう二度と手ェ出すな。んで部活止めろよ!いいな!!」
「「「!」」」
『って、返事してないのに…言い逃げか!』
ズビシと指を指して言い切っていった青学組。てかマジで返事聞けよ。
面倒なことになった。…負ける気なんてさらさら無いけど、さ。
部活止めろ、の言葉に少しだけ不安そうな国光、周助にリョーマ。
3人にへらへらと笑って大丈夫大丈夫を繰り返した。10キロ?しゃーないやってやろうじゃないか。
「では、行きますのよ。位置に着いて、よーい。ドン!」
『って、駆けっこか!』
「ナイスツッコミィイイ!?」『綱吉がな!』
何故か現れたピストルと加奈の掛け声に合わせてパンと言う音で一斉に駆け出す。
只のランニングにここまで熱くなる意味は判らなかったが、まあ良いかとあたしも足を前に出した。
『はっはっはっ、あー…だるい。めんどい、疲れたあー。』
「って普通に話せとるんやし、全然まだ余裕やろ、朔。」
『侑士に岳人かー。あのねー体力じゃなくてー、精神的にィ?』
「俺らに聞かれてもわかんねェよ、つか話し方ムカつくぜ。クソクソ朔め!」
『ほらがっくんそんな跳ねてると後半バテるよー?』
「がっくん呼ぶな!」
『はいはい、じゃ、おっさきー♪』
「って、スピード上げるんかいな。やる気の有無が判らんやっちゃな。」
あたしの矛盾に侑士が文句言ってるのを聞きながら、スピードを上げる。
だって一応前の方にアイツラ居るし?つか体力落ちてんのに馬鹿だなー。絶対後半死ぬな、あいつ等。
吸って吸って吐いて吐いてのリズムを崩さないように足だけを速める。
見えてきたのは黄色に黒線のユニフォーム=立海大の銀赤ワカメ。走るのも一緒って仲良いんだなー。
『よーっす!頑張ってるかい、不良少年共よ!』
「うわ!朔先輩じゃないスか!押さないで下さいよ!」
『ごめんねー赤也。調子に乗っちゃったんだよ、あたしも。』
「つーか不良のとこに突っ込め、赤也。俺らのどこが不良なんだよぃ!」
『「「髪。」」』
「って、仁王と赤也も言うのかよ!自分で言っちゃ駄目だろぃ!」
『今日のブン太、ツッコミ冴えてるな。』
「天才的だろぃ☆」
『あ、自分で言っちゃう?つかそこでも使っちゃう?』
「朔、ブンちゃんはアホなんじゃ。突っ込んだら可哀想ナリ。」
「ってオイ!」
『ほんっと仲良いな、アンタ達。』
走りながらなのにテンポ良いボケとツッコミ。ブン太が挟まれて大変そうだけど、楽しそうだしさ。
へらっ、っと笑いかければ三人とも同じように、同じタイミングで、同じ方向へと顔を背けた。
そして良く見ると三人とも耳が赤い。変なとこまで一緒だと、ふはっと笑った。
「(ちょ、あの笑顔は反則ッス///)」
「(確かに、マジでヤバイぜぃ///)」
「(本気(マジ)になりそうぜよ///)」
!*甘くしてみた*