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□42 筋トレ
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たったったった、リズムをゆっくりと上げて前を見つめる。
すると見知った背中が3つ。
ちっちゃい白帽子と青帽子、それとでっかい銀髪。それぞれ青学1人、氷帝2人。
その身長さに、失礼だと思いながらもクスリと頬が緩んで、その白帽子の肩を叩く。
「ん…う?」
『やーい、引っ掛かったー!』
「…朔しぇんぱい…」
『したったらずぅー!リョーマ馬路可愛いンだけど、やばくない?やばくない!』
「取り合えず落ち着けよ、何か可笑しいぞ、お前。」
「あと、越前君の頬を解放させてあげて下さい、めっちゃ睨んでますよ、彼。」
『えー、しょうがないなあ。』
亮と長太郎に諭されて、振り返ったリョーマの頬にぷにっと埋めた指を取って肩から手を放す。
てゆーか、思った以上にしたったらずのリョーマが可愛かった。あれはヤバイ。
満足して満面の笑みでリョーマを見ると普段より一段とむすっとしたリョーマの顔。
しかも一瞬目あったとき思いっきり睨んでた。ふいっと直ぐに逸らされたけど。
「…(何それ、満面の笑みとかずるいじゃん//でも、可愛いって…複雑だけど。)」
『リョ、リョーマ?』
「…(大体、朔先輩意外とスキンシップするの多いよね。俺もそうだけど、綱吉さんとか切原とかさ…嬉しくないわけじゃないけど//)」
『亮、どーしよう。リョーマが無視するんだけど。嫌われた?嫌われた?』
「朔、お前自分のキャラどこに置いてきた?流石に可笑しいぜ。」
『あー、あれだ。可愛いものには意外と目が無いんだよ。』
「…でも、嫌われたわけじゃないと思いますよ?」
『長太郎…、本当に?本当にそうだと思うか?』
「…(朔先輩の場合、スキンシップはされることも多いけど…恭弥さんとか跡部さんとか芥川さんとか…あ、苛々してきた。)」
「「間違いなく。」…たく、激ダサだぜ。」
きっぱりと言い切られたので少し安心しながらも未だこっちを見ないリョーマ。
それにやっぱり少しだけ心配で、おずおずと覗き込むようにリョーマの顔をうかがう。
ぱちり、と目が合うとリョーマは瞬きを繰り返す。それに怒ってないのがわかって。
にへらっと安心して笑いかけてから前を向いた。だからリョーマが少し頬を染めてたなんて知らない。
安心したので、次いっくぞー、っとまたスピードを上げた。
!*甘くなった…?*