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□49 任務終了
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「アハハハハハッ!そーだよ、全部千春の嘘。そしてそれを信じたセンパイが正義面していじめ。なんて滑稽なんだろぉねぇ!」
「ち、ちはるっ!」
「俺たちを騙してたのか…」
「何故だ千春!何で俺らを騙したんだよ!」
「ふざけんな!…最低だ、テメーは!」
『…そう、君たちは騙されていた。だけど、だから何だって言うんだ?』
朔の言葉に、今井を攻め立てようとした青学がピタっと止まる。
そしてゆっくりと朔を振り返った。
その彼女の顔は真剣でいて、そして無表情だった。
『騙されていた、だから何?“騙されていました、今井の所為だ。だから俺たちは悪くない。”そう言いてーのか?』
「「「っ、」」」
『そりゃあ…随分と都合が良過ぎんだろ、ああ?』
「「「…っ。」」」
『テメーらには今井をどうこう言う前に、言わなきゃならねぇ言葉があんだろーが!』
怒鳴るように言い放てば、うっと言葉を詰まらせる。
そしてひとり、まず彼があたしの目の前に立つ。
それから勢い良く頭を下げた。
「ごめん!…さっきも言ったけどオレ、途中で気づいてたにゃ、でも!何も出来なかった…本当にごめんなさい!」
「英…二。」「菊丸。」「えーじ先輩…」
『あたしはその言葉と罪悪感に気づいてくれたんならいい。君が謝らなきゃならないのは仲間にだろ、えーじ。』
「!…朔…うん、ありがと…」
下げていた頭をぽんぽんと撫ぜて、上がった顔ににへらと微笑みかけた。
菊丸は泣き出しそうな顔で、お礼を呟いて国光、周助そしてリョーマの前に立つ。
「手塚、不二、おちび…本当に悪かったにゃ。傷つけて、気が付かなくてっ、直ぐに謝りに来れなくてっホントに本当に、ごめんっ。」
「…意気地ないッスからね、えーじ先輩は。」
「!おち、び…」
「本当、遅いよ。英二。でも判ってくれたならいいんだ。」
「油断したな、菊丸。だが、頭の弱いお前にはいい経験だろう。」
「不二、手塚……頭の弱い、は余計にゃ…でも、ありがと…」
三人にも頭を下げた菊丸。三人の顔は呆れながらも何処か嬉しそうだった。
それにあたしも、ふっと頬を緩める。
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