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□49 任務終了
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「っ、塚本。」
『…何かな?』
「わる、かった。騙されてたとは言え、俺は…俺たちはお前に手を上げた。暴力をした。」
「それは事実だ。…変わらない、変わる事の無い俺たちの罪だっ…。」
「謝って済むことじゃないのは判ってるっす。俺たちの偽善だ…」
「だけど、謝らせて欲しーんす…」
「「「「すまなかったっ/すみませんでしたっ!」」」」
横一列に並んで、がばっと勢い良く頭を下げる青学の残り←
それぞれの顔は、後悔と悲哀に満ち自分が悪かったと反省の色が見えた。
それにあたしは目を閉じてから、ゆっくり口を開く。
『お前らに罪悪感はある?』
「…ある。」
『お前らは今、後悔している?』
「…している。」
『…行きな。謝る相手が違う。あたしは後悔と罪悪感を認めてくれるならいい。それがあるならもう二度としないって信じてるから。』
「「「「っ、ああ/っす…」」」」
全員の顔が上がり、少しだけすっきりしている。それから国光達の方に走り、勢い良く頭を下げていた。
それに三人は目を丸くしてから、ふっと少し笑って許していた。
やっと壊れたものが、戻っていく。
確かにぎこちないけれど、それでも確実に歩み寄っているから。
ふっと頬を緩めると、それとは似合わない狂い掛けた笑い声が部屋に響く。
勿論その声の主は、今井。全員の目が今井に移る。今井は俯いてふらふらと立っていた。
「あはははっ、ばっかみたい。」
「ちは、る…?」
「ごめんねー、いいよーって、暴力振るって奴がよく言うよ、振るわれてた奴がよく言うよ。奇麗事過ぎて気持ち悪い!手に入らないならみーんないらないよ。殺してあげる、みんなみんな殺してあげるんだから!」
「え?」「殺すって、何言ってるんだ?」
「殺すのよ!千春がパパに言えば、あんた達くらい、殺せるのよ!パパの『ざーんねーん無念、また来世。』は?」
勢い良く啖呵を切ろうとした今井の言葉を、実におちゃらけた声のトーンで遮った朔。
それに全員の目が、今井から朔へと視線が移る。
彼女の口元は上がっていて、実に余裕そうだった。
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