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□49 任務終了
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そう想った瞬間にバッと今井は立ち上がって出入り口へと走り出す。
それに全員が声を上げる。
あたしは焦ることなくピュっと手を動かし、それを飛ばした。
カッ!
「ヒィッ!」
『逃亡を図るなんて馬鹿だねェ。』
今井がドアノブに手を伸ばした瞬間、今井の目の前にナイフが刺さる。
それは顔ギリギリ、ミリ単位の距離。
今井は小さく悲鳴を上げて、腰を抜かすと、ずりずりと扉に寄りかかりながら座り込んだ。
カツカツカツと靴底を鳴らして、今井に近づいて、目の前にしゃがみ込んで目線を合わせる。
『易々標的逃がすほど、ボンゴレは優しくねェよ。』
「っ。」
『一般人を巻き込み悪行を働いた。ボンゴレで体裁を受けた後、ヴィンディチェ行きだ。安心しろよ、お仲間も一緒に、だ!』
だ、のタイミングで今井の鳩尾に拳を埋める。
気を失ったのを確認してから、縄で今井を縛って逃げられないようにする。
堅く縛って、ふう、と小さくを息をはいた。
『任務終了、ミッションコンプリート…ってね!』
くるりと振り返ってにへらと微笑んだ。
資料は先にイタリアに送り済み。今井は確保したからヴァリアーに届けてもらう。
いじめの問題も片付いた。青学のテニス部も復活した。
仕事は全て終わった。
『…帰ろうか、並盛に。』
にっこりと朔は笑顔で言った。
(全 て の 終 わ り)