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「塚本くん達は俺たちを護らなくてはならない!だが、俺たちは部活に入っている!」
『ん。』
「ズバリ!君たちにはホスト部に入ってもらう!」
『ま、そのつもりだ。』
「「「ええええ!?」」」
今度はこっちが叫んでいた。声を上げたのは綱吉と赤也と侑士。
他は理解していたのか、覚悟していたのか。困ったような呆れたような表情で微笑んでいた。
『何、気付いてなかったのか?』
「朔っ、本気で言ってるの?俺がホストとか無理だよ!山本とかならまだしも!」
「俺だって、嫌ッスよ!女の相手なんて!」
「いや、なんやさらっとゆうたと思ってな。自分がその格好なんも理解したわ。」
『そっちは?』
「このメンバーでここに行けと言われた時点で嫌でも気付くよ。」
「プリ。」「ですね。」「まだまだだね。」
「「スルーしないで!/すんな!」」
他の了解は得たので騒いでいる二人と目を合わせる。
綱吉はモテるふたりがいつも傍に居るからか高校での自分の見方が変わったって気付いてないからな。
何だかんだ言って背も伸び、リボーンに鍛えられてるし、所謂カッコ可愛いに当てはまる綱吉。
赤也は中学高校と自分のルックスとテニス部レギュラー陣のルックスの高さで女に良い印象持ってないからね。
自分の外見ばっかり見て騒ぐ、ウザイ生き物って言う見方が大きいからしゃあないって言えばしゃないけど。
『綱吉。綱吉は中学とは違う。良くも悪くも変わったって自分で気付いてンでしょ?』
「…まあ。」
『ティモッティオが綱吉を選んだ。それには意味がある。出来るって信じてるから、これも修行修行。』
「…うん。」
『慣れるまでは俺と居れば良い。でも出来ないって決め付ける必要は無いでしょ。何事も経験、楽しみゃあいいんだよ。』
「ん…、ありがと、朔。」
よしよしと頭を撫でてやる。いつの間にか抜かされた身長。今は1cmだが、直ぐに引き離されるんだろう。
大丈夫、綱吉は魅力的だ。心の中で呟いて微笑みかけて、もうひとりに目を向ける。
赤也はまるで威嚇している犬のようにこっちを睨んでいた。それに苦笑して対峙する。
「俺は嫌ッスよ。女なんて皆一緒だ。変な理想押し付けて犯罪ギリギリの事してる!」
『皆、一緒?何、本当にそう思ってる?…答えな、赤也。』
「っ…」
『違うだろ、凪も京子もハルも加奈、本当に全員か?確かにそういう奴も居るさ、残念なことにな。けど、そうやって言ってる赤也も決め付けてないか?』
「!…ッス…」
『女はこうだって固定概念を持ってる。けど、赤也は俺と会って俺といてそう思ってるのか?』
「!思ってないっ!朔先輩は違うっ!!」
『よかった、ありがと。赤也はまだ高校生この先長い、何もわざわざ世界を狭くする必要が何処にあんだ。赤也が選ばれたのはそーゆーのを取っ払って欲しいからなんじゃないかって俺は思う。どーかな、赤也?』
「…やるッス。…けど、俺も最初は朔先輩と居てもいーッスか?」
『勿論。それが赤也の為になるのなら。』
よしよしと同じように赤也の癖ッ毛を撫でる。赤也は恥ずかしそうにでも嬉しそうにへへっと笑った。
それにあたしも安心して笑った。
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