☆☆☆

□06
2ページ/5ページ





「お父さんは、お父さんはなあ…」

「このお父さん設定は何なんですかー?」

『イタイからそこは突いてやるな、フラン。』




ごそごそと環ボックス(仮)から何かを探す環。

その後ろ姿に辛痛な視線で思ったまま言葉を零すフランに、しーっと口に人差し指を持っていく朔。

そして、何かを見つけた環は勢い良く振り返った。




「この頃のお前が見たいんだよォーーー!」

「人の写真を勝手にひきのばさないで下さいっ!!」

「つか結局自分の為ェー!」




環の手には額縁に入った、ハルヒの中学生時の写真。おまけにバラのCG合成つき。

それにハルヒが黙ってるわけなく、綱吉の突っ込みと共に環に飛んでいった。

それに呆れたように溜息をつく、その他ホスト部員。




「俺としては男に見られようがどーでもいいんで…」

「女の子が俺何て言っちゃいけません!おかーさーん、ハルヒが汚い言葉遣いするよーう!」

『おかーさん、誰だよ』

「…俺かな。何となく。」

「つーか、お前社交ダンスの経験は?パーティーじゃ必須だぜ?」




その一言にハルヒだけでなく、こちらの全員もピタリと動きを止めた。

「いや、パーティーはノルマ関係ないし…」と言いかけたハルヒにギラリと環がこちらを見る。




「社交ダンスは紳士の常識!一週間で見事ワルツをマスターしパーティーで披露出来たら借金半減してやろう!」

『…借金関係無かろうとダンスは必須、か…?』

「勿論だ!君たちとも踊りたい姫がいるのだからな!」




ピッシャーン。

まるで雷が落ちたかのようにハルヒは青ざめ、あたし達は頭に手をやる。




『…社交ダンス踊れる人ー。』

「「「…」」」

『…フランも?侑士も?骸も?』

「部隊が部隊なんでー。」

「氷帝ゆってもダンスは無いわ。俺は貴族やないし。」

「…あるわけないでしょう。」

『え。俺が全員教えんの…?』




おずおずと言った一言に、全員が(戸惑った奴は居たが)こくりと頷いた。


(景吾を呼びたいくらいだ…)


先が思いやられる。と『はあ。』と溜息をついた。









次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ