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「お父さんは、お父さんはなあ…」
「このお父さん設定は何なんですかー?」
『イタイからそこは突いてやるな、フラン。』
ごそごそと環ボックス(仮)から何かを探す環。
その後ろ姿に辛痛な視線で思ったまま言葉を零すフランに、しーっと口に人差し指を持っていく朔。
そして、何かを見つけた環は勢い良く振り返った。
「この頃のお前が見たいんだよォーーー!」
「人の写真を勝手にひきのばさないで下さいっ!!」
「つか結局自分の為ェー!」
環の手には額縁に入った、ハルヒの中学生時の写真。おまけにバラのCG合成つき。
それにハルヒが黙ってるわけなく、綱吉の突っ込みと共に環に飛んでいった。
それに呆れたように溜息をつく、その他ホスト部員。
「俺としては男に見られようがどーでもいいんで…」
「女の子が俺何て言っちゃいけません!おかーさーん、ハルヒが汚い言葉遣いするよーう!」
『おかーさん、誰だよ』
「…俺かな。何となく。」
「つーか、お前社交ダンスの経験は?パーティーじゃ必須だぜ?」
その一言にハルヒだけでなく、こちらの全員もピタリと動きを止めた。
「いや、パーティーはノルマ関係ないし…」と言いかけたハルヒにギラリと環がこちらを見る。
「社交ダンスは紳士の常識!一週間で見事ワルツをマスターしパーティーで披露出来たら借金半減してやろう!」
『…借金関係無かろうとダンスは必須、か…?』
「勿論だ!君たちとも踊りたい姫がいるのだからな!」
ピッシャーン。
まるで雷が落ちたかのようにハルヒは青ざめ、あたし達は頭に手をやる。
『…社交ダンス踊れる人ー。』
「「「…」」」
『…フランも?侑士も?骸も?』
「部隊が部隊なんでー。」
「氷帝ゆってもダンスは無いわ。俺は貴族やないし。」
「…あるわけないでしょう。」
『え。俺が全員教えんの…?』
おずおずと言った一言に、全員が(戸惑った奴は居たが)こくりと頷いた。
(景吾を呼びたいくらいだ…)
先が思いやられる。と『はあ。』と溜息をついた。
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