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Masaharu.N side




部活が終わり、葛西部長の挨拶で1年はコート整備に他は部室へと着替えに向かう。

各言う俺も、まだあやかがそこにいる事を確認するようにちらりと見てから部室に向かう。

部室に入ると既に準レギュは全員集まっていて、丸井は俺を見ると膨らませていたガムを器用に割って噛み戻す。




「におー、今日暇?つか暇だろぃ!ジャッカルのおごりでマック行こうぜぃ!」

「…決め付けは良くないぜよ。」

「つか俺のおごりかよ。」

「あったりまえ!俺金ねぇもん。」




体操服を脱いで制服に着替えながら、失礼な事を言ってくる赤毛を横目で見る。

同じくジャッカルも言い出した赤毛を見て、苦笑していた。

ケラケラと笑ってみせる赤毛は、「腹減ったー」とか着替えながら愚痴を零す。

俺は「まあ帰りだし、」と言い訳してネクタイをせずに鞄にへと荷物を詰めながら口を開く。




「悪いのう。今日はパスじゃ。」

「ええー?ノリ悪ぃーぞ、仁王。」

「先客がおるからしょうがないぜよ。諦めんしゃい。」

「ちぇっ、じゃあジャッカルと行くか。」

「あ、それも駄目じゃ。ジャッカルは俺と用がある。」

「え?」




名前を出されたジャッカルは目を丸くしていたが、俺が携帯をちらつかせる。

彼は意思を読んでくれた様で、自分の携帯を確認して驚いたように目を見開いてから俺に向かって頷く。

その様子に、丸井はむっとして眉を寄せるが、ジャッカルが宥めているのを尻目にメールを作成する。


(何処に、おるか…、っと。)


送ったメールには思っていた以上に早めに返信が帰ってきて、そこには『裏門』の一単語だけ。

そっけないようでそれでも返してくるとこがあやからしいので、良しとするか。なんて上から思う。

自分も淡白に「了解」とだけ打って送り返して振り返ると、なんとか振り切ったジャッカルが少しお疲れ気味にいて、それに笑いながら部室を出る。

外は夕日が落ちかけていて今は赤いが、空は薄暗くなっていた。

生徒は少し先に帰った部活が多いらしく、殆ど見当たらない。


(これならあやかも少しは気にならないじゃろ。)


とかなんとか考えながら、その思考に少し苦笑する。

それを誤魔化してジャッカルにあやかは裏門にいるらしいと伝えて、一緒に足を裏門へと向けて進んだ。
















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