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□世界はそして変わる
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星詠みの記憶を頼りに学園を飛び出して、神奈川の町を走り抜ける。
焔が後ろから私の先に回って、猫の姿のまま走っている。
私は制服のポケットから携帯を取り出して、走りながらその番号へと電話をする。
「≪…あやか先輩…?≫」
『っ!赤也!今何処!!』
「≪え、え?≫」
『お願い、答えて!今何処にいるの、ひとりじゃない?誰か近くにいる?』
「≪え、えと、後輩の指導終わって家に帰る途中で直輝と一緒ッスけど…≫」
数回のコールのあとに、通話が開始され、赤也の声が耳に届く。
その声にひとまず安心を覚えながらも、半ば捲くし立てるように質問をする。
その勢いに戸惑いながらも、赤也は答えた。
(友達と一緒…、ひとりよりは安全かな。)
きゅっと口を噛んで前を見つめる、時々焔が私を振り返りながら走っている。
――私が見た未来は、赤也が複数の男に連れて行かれる映像。
…それもほぼ無理やり、強制的だった。
持っている手のひらに携帯が食い込むほど、強く握り締めた。
『場所は?今そっちに向かってるから。話たいことがあるの。』
「≪そうなんスか!商店街近くなんで、その前でいいッスか?≫」
『判った、すぐ行く。だから直輝くんも一緒で。最近は物騒だからね。』
「≪子供扱いしないで下さいッスよー!俺だって――≫」
『お願い…、ひとりにならないで…っ!』
「≪あやか先輩…なんかあった?なんでそんなに…≫」
『…赤也に急に会いたくなっただけだよ。赤也シックみたいな?』
無理やりな理由だったが、赤也は突っ込んでくることは無く、なんとか誤魔化して了解をもらう。
走りながらの会話は、思った以上に体にきたが、立ち止まっている暇は無い。
(何時、赤也が狙われてしまうかは、判らない…っ。)
少なくとも、今の私には正確な時間まで視ることはできないのだ。
焔の後を追うように商店街へと走る。
赤也の安全を常に知っているためにも電話を切るわけにはいかなくて、どうでもいいような会話を続ける。
その中で、私はつい最近、星詠み科だけ集められて聞かされた話を思い出していた。
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