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「俺はダブルチーズバーガーのセット!」

「んじゃ、俺はビックモックセットじゃ。」

「俺はてりやきセットにすっか。」

『えと、私はフィレオフィッシュ単品で。』

「かしこまりましたー。少々お待ち下さい。」

「俺は席を取って来ようかの。奢っておいてくんしゃい、ジャッカル!」

「あ、俺も席取ってくるッス!奢りあざっす、桑原先輩!」

「って、俺かよ!何サラッと言ってんだ、ふたりとも言い逃げはえーよ。」




レジに立っていたのが男性でよかった。女性じゃ多分すんなりとは終わらなかったかもしれない。

それぞれのものを頼み終えると同時に、仁王くんと赤也が急いでその場を離れた。

会計を言い渡されたジャッカル君は肩を落としているので、苦笑して私はかばんから財布を取り出す。

お会計どうぞ、と言われてジャッカル君が前に出るのを見て腕に手をおいて止める。




「水瀬?」

『私が払うよ。仕送り多いし、ジャッカル君に奢ってあげるって言ってたしね。私も買うからついでついで。』

「で、でもよ。」

『でもも、何も聞きません。…奢らせて、いろいろ迷惑かけてるし、せめてものお詫びだから。会計お願いします。』




まだ渋るジャッカル君に微笑みかけて、会計を済ませる。

ジャッカル君は眉を下げて少し困った様子だったが、会計を終えてしまえば苦笑していた。

定員からパレットを貰おうとして、それをジャッカル君に横から取られてしまう。




「奢って貰ってるんだし、これくらい持つって。ありがとな、水瀬。」

『!うん、こっちこそ、ありが――とっ!?』

「あやか先輩ー!まだー?俺腹減ったッス〜。」

『きゅ、急には心臓に悪いよ、赤也!てか、ここ公共の場だから抱きついたりしちゃ駄目!は、離して!』




ジャッカル君に微笑んだ瞬間に、後ろから何かに抱きつかれて前のめりになる。

が、その正体の赤也がぐいっと引っ張ったので転ばずにすむ。

赤也は私の腰に手を回して抱きついていて、周りのひと、女性からの視線が一気に突き刺さった。




「てか思ったんすけど、先輩少なくないッスか?」

『離してから話し出そうよ…、まあ、ファースドフードはカロリー高いから…。君たちみたいに運動してたわけじゃないし…。』

「ええー?痩せる必要ないッスよ!俺、先輩は今くらいが柔らくて一番好きです!」

『っ!?』「な、切原!」




なおも抱きついたままいい笑顔で言い切った赤也に、私は固まり、ジャッカル君は焦ったような声を上げる。

本人はまるで分かってないようで、抱きついたままニコニコしている。

どうにも恥ずかしくって、その腕を振り払うようにして仁王くんのいる席へと足を運んで逃げた。















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