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「いつまでもぎゃーぎゃー騒いでんじゃねえ!とっとと決めろ!そんなに決まんねえならそいつらのチームは俺が決まる。」

「「「えーーっ!」」」

「あ?なんだ文句あるのか?ああ?」




半ば怒鳴り散らすように言い放った言葉に、未練たらたらに声を上げた女子はあわてて口を閉ざす。

彼女たちを睨み付けてから、彼の視線は余っている私たちのほうに向き、私の目を捉えた。

びくっと肩が跳ね上がりそうになるが、抑えてそっと視線をはずそうとすると、それを逃がさないかのように教師が私を呼ぶ。




「水瀬、お前転校生だったな。」

『…はい。』

「お前があいつらのチームに入れ、いいな。」

『!いや、わた…。』




『私は遠慮します。』そう言おうとした言葉がのどでつっかえる。

私を見る目は拒否を許しておらず、「あ?勿論やるよなつかやらねえとかねえ。早く試合しろや。」そう瞳が言っていた。

その凄まじい視線に、口答えをするほど私に勇気も度胸もなく、何もできないまま頷くことしかできなかった。

女子の視線が痛いほど注がれ、ひそひそとささやかれているのがわかる。

思わず、ため息を零すと、心配そうに亜美が声をかけてくれたので曖昧に微笑んだ。




「バスケ部とテニス部はいつも通りひとり少なく3人でやれ。わかったらとっととチームを作れ!いいな!」




大声で言い放った教師に、目的を失った女子は聞こえない音量で文句を言いながらチームを組んでいく。

亜美もまた離れて違う友達とチームを組みにいき、私の隣に仁王くんが近づき、距離を開けて丸井さんが立つ。


(…丸井さん、と…。気まずい…)


そんなことを知らない仁王くんはいつもと変わらない様子で私を見てニヤニヤと笑っているので『何。』と聞く。




「教師もたまにはいいことするんじゃなと思っとったんじゃ。俺を助けなかったからこうなったんじゃ。」

『…はいはい、ごめんね。……。』

「……。」

『…足引っ張らないようにします。お願いします。』




目が合ってしまい急にそらす事もできずにそう言うと丸井さんはどこか驚いたような顔をしたが、直ぐに横を向いてしまった。

どうしようもないことだが、今更傷ついてて、視線を落とす。

その様子を仁王くんがいぶかしげに見ていたことには気づけなかった。















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