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チームもその後直ぐに決まり、何処から取り出したのか、ホワイトボードにトーナメント表を張る教師。

どうやら試合はトーナメント形式で行うようで、簡単な説明をすると、直ぐにコートに入るように言われる。

説明すると、コートは半面でのミニゲーム方式で、少人数ボールを奪ったらりゴールが決まったら攻守交替。決められた時間での得点で争う。

こんなところだろう。先生も分かれてレフリーをやり、厳しくチェックをすると言っていた。

コートに入ると、注がれるのは相手チームの女子からの嫉妬の視線。

その視線に気づいているのか、仁王くんが近づいてきたので、そっと見上げて瞳を見た。




『…仁王くん。手、出さないで。』

「!」

『ただ点を取りに行って。私に気を配らないでいいから。…私の問題は私で。』

「…わかったぜよ。」




しぶしぶといった様子だが、仁王くんが引き下がる。

少し話しただけで睨み付けられる視線が強くなって、ため息をこぼす。

教師の笛の音で、試合が始まった。




「仁王!」

「ん。お先貰うぜよ。」




じゃんけんでオフェンスになり仁王くんがパスしたボールは丸井さんの手に渡り、走り出した仁王くんにフリーでパスが通る。

あっという間の速さで仁王くんのレイアップシュートが決まり、ふたりがハイタッチを交わす。

その鮮やかさに、男子は開いた口が塞がらず、敵にかかわらず女子は黄色い声をあげる。

呆然と吸い込まれたゴールを見ている私に、仁王くんが近づき片手を挙げた。

戸惑っていると、仁王くんが催促するように手を揺らしたのでおずおずと手を上げて、それに仁王くんがパンと手を合わせた。




『…な、いす、しゅーと…。』

「鮮やかなゴールじゃったろ?」




にやっと所謂どや顔で仁王くんは、はたいた手をひらひらと揺らしていた。

鮮やかなシュートだったことは言いようもない事実なので、文句を飲み込むと相手チームが攻めてくる。

その一瞬の隙を丸井さんは見逃さず、ゴール付近でボールを奪うと、スタート地点に居た仁王さんに一度戻し直ぐにパスをもらう。

そしてそのまま放ったボールは綺麗にリングの輪をくるりと一回りして、吸い込めれるようにネットにかかった。

女子はただふたりにぶつかるために彼らに付きまとうように動き、それに仲間の男子は振り回させているようだった。

フリーの場所で待っていると私の名前が聞こえて仁王くんからボールが飛びそれをキャッチする。でもその瞬間に横から押されて転ぶ。




「あらー、ごめんなさーい?」

「ふふ、ねっころがちゃってきったなーい。」




わざとらしい言葉を並べているが、その言葉を遮るようにピーーっと笛の音が響いた。

教師はこっちをみて手を指して笛を吹き、こちらに早足で駆け寄り警告を言い渡す。

そして、フリースローが私に言い渡されて、笑っていたふたりが目を丸くしてすぐ怒った。




『ボールを持った人間自身に触れてはいけない、バスケの基本ルールのひとつですよ。』




フリースローを入れるほどは上手くはない。

でもリングにはじかれたボールを、仁王くんがしっかりと打ち直して決めてくれた。













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