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目の前に立っているのは頭2つは違いそうな大きな背をお持ちの男子がおふたり。

女子も私より全然高くて、こっちも頭ひとつ分くらい違うんじゃないかと思う。

相手も3人しかおらず、所謂決勝戦のコートに私は立っていた。




「んだよ、思ったとおりの展開じゃーん?」

「…当たり前だ。」

「バスケ部集まって負けるとか酷くない?」

「今から負けるだろぃ?」

「プリッ。」




どうやら彼らは顔見知りみたいで、仲良さそうとは言えるか微妙だが向かい合って話す。

ふと女の子の目が私に向けられて、ビクッとするが彼女はじっと私を見るだけ。




「いいなあーアタシもテニス部の二人とチーム組みたかったあ。」

『!』

「おっま、俺たちと組んどいてそれひどー。」

「てめーらとっとと配置に付け!試合始めろ!」




教師の大声にそれぞれが配置に付く、つくづくじゃんけんが強いのか今回もこっちがオフェンスだ。

ピーッと笛がなった瞬間に仁王くんが丸井さんにボールを渡す。

そしてそこから動けなくなった。ぴったりと仁王くんに付くバスケ部のふたり。丸井さんの前にひとり。

私には誰も付かず、フリー。さあああっと顔が青くなるのがわかった。




「今まではさ、やってこれたかもしれないけど。アタシたちには通用しないよ。」

「お前たちのプレーまじ癖ありすぎー。」

「……問題ない。」

「やっぱりそうきたのう。」

『っ…!』

「チッ!」




完全にマークに疲れた仁王くんは左右に左右に動いて見せるが、外れることが無い。

どうしようもなくなった丸井さんは私になんて目もくれずに自力突破を試みてドリブルで走り出す。

でも現役のバスケ部のほうが1歩上で、すばやく目の前に立つとフェイントを入れた丸井さんの手の中からボールをカットした。

そしてそのまま向きを変えると、その場からショートを放ち…パシュといい音を立てて決まった。




「君たちに何があったかなんて知らないけど、俺たち勝たせて貰うよー?」

「ピヨッ…本格的に行くしかないのう。」

「うるせー、対処しろよぃ、仁王。」

「わかっとるぜよ。」




くるっとボールを器用に指先でまわしてみせる相手。

仁王くんも丸井さんも一層試合に力を入れる姿勢を見せた。

雰囲気が一気に張り詰めた本気の勝負感が漂い、試合が白熱する。












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