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四月下旬、某日。
桜が散りかけて、地面には一面に広がりピンク色の絨毯のよう。
その日の夕方、PM5:00。中央棟の大広間。
「今宵集まりし、子羊達よ。この日を共に過ごす幸運と市場の美に感謝を。主の祝福と共にその扉を開きたまえ…、桜蘭ホスト部春のダンスパーティーへようこそ…!」
驚くほどの広いダンス会場。
一段高い場に立つ俺たちホスト部に会場には多くの女の子達。
曲を奏でるオーケストラやオードブル、カードゲームのボード。
所謂、ザ・お金持ちなパーティー。
「「はーい!お嬢様方、カード勝負はいかが?」」
「1ゲーム勝利で1ポイント&豪華商品だよ。」
「得点上位獲得者にはラストダンスを部員と踊る権利があるそうですよー?」
バーターの双子ファッションをした常陸院兄弟が、トランプを掲げる。
それに続いて精市とフランがゲームの説明をした。
因みに精市は光沢のある少し青色の混じったグレーのスーツに、中は白シャツに目立たないチェック模様のベストの黒ネクタイ。
フランは光沢のある黒のベストに白シャツ、赤いリボン姿。
「「そしてなんと!トップ賞にはキングより祝福のキッスが!!」」
「頑張ってね…☆」
白スーツに身を包んだ環がすぐ近くの女の子の顎をくいっと持ち上げ、一層顔を近づけた。
その姿に周りの女の子はきゃああ、と声を上げて顔を染めた。
挨拶も程ほどにその紹介が終わると、それぞれが談笑を始める。
「うげぇ…何かやっぱついてけねぇ…」
「う、うん…次元が、違うね…」
『ほーら!そんなこと言わない、言わない。』
「「朔(先輩)…」」
目線を遠くに向けて、しみじみとこの会場を見ている2人の頭の後ろを軽く小突く。
黒スーツに薄い橙色のシャツ、赤のラインが一本入ったネクタイ姿の綱吉にと、ストライプのベストに赤シャツ同じくストライプネクタイの赤也だ。
振り返った2人ににっこりと微笑みかけて不安に揺れる2人を安心させる。
2人の曲がったネクタイを結び直してあげてその結び目をポンポンと軽く叩く。
『楽しもうよ?ね、ハルヒも。』
「え、あ。うん。」
「こら、ハルヒ!テンションが低いぞ!」
「え、いや。こーゆーパーティーは初めてだし、興味もないし。」
「まあ、折角だから料理くらいは食べておいたらどうだ?」
「金持ち学校じゃから、きっとご馳走に違いないぜよ。」
ご馳走の言葉にハルヒは勿論、綱吉や綱吉もぴくりと反応する。
ハルヒは右手を軽く握って少し考えると、上目遣いに周りを見上げた。
「…お、大トロ、とか…?」
勿論、この後ホスト部が真面目なのに、ハルヒに恥を掻かせたのは言うまでもない。
その様子を端で見ときながら、喉の渇きと小腹が空いてテーブルへ向かう。
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