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どうも皆さんこんにちわ。塚本朔です。

現在の時間帯は、身体検査の日の放課後。第3音楽室にて、正座をさせられています。




『いや、その内話そうとは思ってたんだしさ。もう良くない?足痺れてきたんだけど…』

「え?どの口がそんなこと言うんだい、朔?」

『…あー、怒っちゃってるよ。冷凍ビーム飛ばしちゃってるよ。みんな青ざめてるよ。ちょっと黒いの抑えようよ、精市。』

「誰の所為だか判ってるんですか、貴方は。ふざけてるんですか?」

『骸も落ち着いてくれ。みんなが不憫すぎる…』




真っ黒の笑顔で床に正座したままのあたしを仁王立ちで腕を組み見下ろす、精市と骸。

周りはその真っ黒ーいオーラに距離をとって避難していて、近くには誰もいない。

この黒さに当てられないためには5m近くは離れとかないといけないからだ。

が、残念ながら朔には黒さで多少の恐怖はあっても、怖気づくような魂ではない。

何せ小さい時にあのXANXASと共に過ごしていたのだ。物理的に怖いものはない。

とはいえ、思いっきり脅えている他のみんなといい、今回の事態の失態といい。悪いのはあたしだ。

正座のまま左手は膝に置いたまま、右手で髪を梳いてから眉を下げてふたりを見た。




『…悪かったって。確かに無用心だった。精市も骸も、ごめんね。』

「…もういいよ。謝ってくれれば、過ぎたことだしね。」

「もう少し危機感を持ちなさい。本当にヒットマンですか、貴方は。」




『うん、ごめん。』そうもう一度言えば、ふたりはため息をついて眉を下げた。

黒さが消えたことに全員がわかり、そっとコッチに近づいてくる。

あたしも立ち上がろうとしたが、足が痺れていて無理に動かす気が失せる。動かせない訳じゃないけどあの感覚は苦手だ。

今だ正座をしたままの状況を見て、綱吉が心配そうに膝を折って目線を合わせる。




「朔?どうしたの?」

『あー、痺れた。そんな心配そうな顔しないの。』

「で、説明願おうか。…大体今ので理解できたが。」

『説明、ね。単純明快でしょ、君達も見たんだし。塚本朔の性別は女。只それだけだよ。』




綱吉の肩と赤也の手を借りて、痺れの収まりかけてきたところで立ち椅子に座り直す。

何事もないように言った言葉に、変わらず声を上げたのは環だけだった。

ハニー先輩は叫ぶことはないが驚いたようにでもぽわぽわとモリ先輩に問いかけ、対して彼はただ無表情にそれに返す。

その目は少しだけ丸くなっていたので、驚いてはいるんだろう。

ハルヒと常陸院兄弟は女である事を知っていたし、鳳はうすうす感づいてはいたんだろう。予想していなかったわけはない。

唯一環だけはド正直に男である事を信じて疑っていなかったから、当然といえば当然だった。




「ななななっ、ほ、本当なのか!?」

『本当だって、つか環だって見たじゃん。』

「いや、たたた、確かにこう、女の子独特のアレが…」

「手付きがエロいんじゃ、止めんしゃい。」

「露骨過ぎんで、変態。また縛られたいんか?」

『お前らはそう強く言えねぇだろ。』




身体のラインを手で表した環にふたりがツッコむが、更に朔にツッコまれた。

何てこともないように、サラッと言ってのけるところが彼女らしいというか。

呆れたようにため息を漏らしながらも全員が苦笑で済むのは、彼女だからこそだろう。

しかし、このことは彼等にとっては詰まらないと感じさせるには十分だった。












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