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ザパーン、ザパーン
岩に打ち付けるように波は寄せては引いての繰り返しで、水しぶきが飛ぶ。
夏らしくなってきた日差しに、反射してキラキラ光って輝いている。
『…、…どうしてこうなった。』
「…海、だね。」
「…海、ッスね。」
目の前に広がるのは、広大に広がる青い青い海。
砂浜に座り込んでその海を見つめる両隣には、同じように唖然と海を見る綱吉と赤也。
名前を呼ばれて振り返ると、水着に身を包んだ女子生徒たち。
「朔くんたちは海に入らないの?」
『んー、見てる方が好きかなあ。ふたりはどーする?』
「海に入るのはちょっと…。」
「俺はどーすっかなあ。」
「「お、綱吉ー、赤也ー!一緒にビーチバレーやろーヨ!」」
声をかけてきた常陸陰兄弟に、ふたりは顔を合わせた後あたしをみる。
それに行っておいでよ、と声をかけるとふたりはお客さんも半分引き連れて離れていく。
振り返ると、ホスト部メンバーがお客さんたちをもてなしている。
現在、出張ホスト部展開中。
『じゃ、砂浜でも歩こうかな。君達もよかったら、どうかな?』
「「「ご一緒いたしますわ。」」」
『ありがと。』「「「!///」」」
首を傾げながらへらりと微笑むと、顔を赤くするお客様たち数人と一緒に波打ち際を歩き出す。
(にしても、少し前にプールに行ったばかりじゃなかったか?)
足が寄せてくる波に浸かる度、程よい冷たさが気持ちいい。
話に相槌を打ちながら歩いていると、一人が砂に足を取られて転びそうになる。
「あっ!」
『っと。大丈夫?』
「「「きゃー///」」」「え、あ///」
『ほら、手ぇ貸して。また転ばれたら困るから。』
転びそうになった彼女の腰に腕を回して受け止めて、ゆっくりと体勢を戻して立たせる。
てれたように視線を泳がす彼女に少しからかうように手を差し出すと、頬を染めながらおずおずと手を伸ばす。
その手をこっちから握ると、驚いたように顔を上げる彼女と目が合い、慌てたようにおろおろする。
(…かわいいなあ。)
その様子に周りの女の子たちも騒ぎ出して、時間交代で手を繋ぎながら砂浜を歩いていく。
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