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□拍手2.3
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がさがさと道を進むこと数分。
とりあえず中間地点ってとこだろうか。


クレープも食べ、満足したのかこいつは上機嫌で俺の後をついてくる。
やっぱり静かにしてればそれなりにかっこいいんだよなあ…。
………いやいやいや、落ち着け俺サマ。
記憶なくしたからってそう簡単に人生棒に振るようなことしない方がいいって。うん。


「なあ、お前好きな奴いるのか?」


うんもうとりあえず黙ってください。
突拍子ないこと聞きやがって。
なんでそんなプライベートで言いたくないことベスト3に入ってそうな話を出会って数分のお前にしないといけないんだ。


「俺サマ今記憶がないの!いたとしても覚えてるわけないだろ」


少なくともお前じゃないことは確かだよ。


「俺はお前が好きかも知れない」


ざかざかと歩き続けていた足を止めて、同情の視線でとんでもないことを口走った男を見る。
ああそうか、こいつ病気だったんだ。
クレープ作ってくれた人全員を好きになる不治の病。


「可愛そうな奴だなお前。俺サマこんな病気にかかってるやつ初めて見たわ」


「俺病気なのか?すごいな〜、俺が気付かなかったのに気付くなんて。あ、もしかして医者?」


「うん本当病院紹介してあげたい。きっと門前払いだけどな」


「お前は見てくれないのか?」


「俺サマ人を選ぶ性質なのよね」


「それは残念だな…」


ああもう俺サマ疲れた。
なんでこんなに疲れてんの。
なんでこいつこんな元気なの。
というか本当に記憶ないわけ?


「はあ〜〜〜」


「また溜息か?」


「悪いな。お前と違って現実に押しつぶされそうなんだ」


このままだったらどうしたらいいんだよ。
一生記憶なしで暮せってか?
そんなん絶対ごめんなんですけど!


「先のこと考えたってしょうがないだろ?今はとりあえずこの森出ようぜ!」


…何かほんの少しだけ、お前がうらやましいよ。
 

3.「とりあえず自己紹介でもする?」
 
 「記憶喪失なのに何を言えと」



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空をとぶ5つの方法


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