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□You make me weak
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ごろごろと白いシーツに身を沈め、隣に座っているロイド君を見ていると自然と溜め息が零れた。


「はあ…」


「何溜息ついてんだよ?」


「何か、不抜けたなと思ってさあ〜」


「……?ふぬ?何て?」


「……。何でもないよ、ロイド君には分かんないだろうし〜?」


ベッドに転がりながらけらけらと笑えば、後ろから馬鹿にするなって、ロイド君の声が聞こえてくる。
馬鹿にだって?そんなことしてない。
どっちかっていうと敬ってるつもり。


あんなにも追い詰められていた俺サマを救ってくれた。信じてくれた。愛をくれた。
感謝してもしきれなくて、言葉では到底言い表せれない。
でもきっとロイド君にはこの想いは分かんないだろうよ。
まあ、分かられるほど軽い想いじゃないんだけどな。


昔、といっても、つい最近までの俺サマ。
何も信じないで自分のことだけに必死だった。
使えるものは何だって使うし、何だってやる。
それが当たり前になっててロイド君やみなを騙し続けるのにも別に抵抗なんてなかった。
でもそんな俺サマにいつも温かい言葉をなげかけてきたロイド。
馬鹿な奴だと思いながらもその言葉をないがしろにすることがどんどん出来なくなっていく自分が分かる。
流石にあの時は焦った。
(こんな田舎者のお人よしに丸めこまれるなんてあってはならない)って。


でもいつの間にかロイド君は俺サマの中に入ってきて、気付いたら隣に並ぶほどになってた。


そして、好きになってた。


(ほんと、最初のころの俺サマは何だったのよ)


たまにあのままロイド君の言葉
を無視し続けていたらどうなっていただろうと考えることがある。
でも、辿り着くのはいつも一つ。
死、だ。


それが今まで好き勝手に生きてきた自分に相応しくないわけではない。
むしろ
そうした方が都合のいいこともあると思う。
だから、その時がきたなら、と思ってるところもあったんだ。


でも、今は違う。
死が怖いと思ってしまう。
いやそうじゃない。
死よりもロイド君と一緒にいられないことが怖いんだ。
ロイド君がいなくなってしまったらまた昔のような世界に戻ってしまう気がするから。


(依存しまくり、だな。かっこ悪いの…)


本当に不抜けてしまった。
これでいいのかなんて分からない。
このままぬくぬくと幸せに浸かっていてもいいのかと思う時もある。




(孤独感に耐える力なんて、もう無いくせに)



「ロイド君、大好き」


「……変なゼロス。でも、俺も好きだよ」




(このままずっと、ロイド君といたいんだ!)





You make me weak





thanks! hazy


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