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□ただ“愛”だけがそこにいた
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※ちょっぴり破廉恥!



ああ好きだなあって思う。
笑った顔も泣いてる顔も怒ってる顔も全部全部魅力的で。
やっぱり俺はゼロスがいないと駄目だなって感じるんだ。


「ロイドく〜ん。俺サマ重い…」


「もうちょっと…」


なんかゼロスのこと考えてたら無性に触れたくなってベッドでごろごろしているこいつの上に乗っかって思いっきり抱きしめた。
驚いたのか体を起こそうとしたけど俺ががっちりと抱きしめているのでゼロスの脱出は失敗に終わりこうして文句を言いながら俺に抱きつかれてる。
何だかんだ言って無理矢理離そうとしないところがゼロスらしい。
自惚れになるかもしれないけれど、多分ゼロスも俺に抱きしめられるのが嫌じゃないんだと思う。
なんかそれってすごい嬉しい。


ますます愛おしく思えて、頬にキスを落とす。
ゼロスは急な出来事についていけないのか固まってしまう。
あ、かなり照れてる?恥ずかしがってる姿も可愛いな。
もっと見たいと思って、もう一度唇を近付ける。
でも今度こそゼロスの手によって阻まれた。
む、口を手で塞がれたら何にも出来ないじゃないか。
視線でゼロスに抗議する。


「だ、駄目だからな…!許したら調子に乗るだろっ」


そりゃもちろんもっと、って思うかもしれないさ。
でも好きな奴を前にしたらそれは仕方のないことだと思う。
好きだから触れたいし感じたい。
これはとても普通のことだろう?


とりあえず手を退けてもらおうかと思い、ぺロリと押さえている手を舐める。
こんなことをしてくるとは流石に思わなかったのかゼロスは反射的に手を離した。
その一瞬の隙に、ゼロスの両腕をこいつの頭の上でまとめる。
我ながらこう言う時の行動の早さはすごいと思う。
決して自慢できるものじゃないけど。
そっと顔を覗きこむと、キスをした時よりも赤くなっている。
俺の行動の一つ一つにゼロスは弱い。
もう、相当ドキドキしてるんだと思う。
必死にそれを我慢してるのかと思うと可愛くて仕方ない。
今すぐにでもそういうことをしたくなる。


でも、まだ早い。
ちゃんとキスもしてないのに行為をするのはきっとゼロスが不安がると思うんだ。
まあ俺がちゃんとキスしたいってのもあるんだけど。


ゼロス、と名前を呼べば過剰なほどに反応して目を瞑ってしまう。
今は夜だけど電気もつけてるから表情が良く見える。
唇も震えて。目にも涙を溜めて。
なんかすごく悪いことする気分だ。
今日はやめといた方が良いのかもしれない、と体を離そうとした。
けれどゼロスに腕を掴まれて元の体勢に戻される。


「ゼロス…?無理するな」


「大丈夫だからっ……それにロイド君、限界だろ?」


やけに色気を含んだ顔でゼロスは笑う。
その言葉に言い返せないのは、図星だから。
さっきからころころと変わるゼロスを見ているためか色々堪らなくなってる。
なんか自分が情けない。
もっとクールで包容力のある男になりたいのに。
これじゃ、精神的立場はいつまでたってもゼロスの方が上じゃないか。


考え込んでいるとゼロスが俺の首に腕を回してきた。
なんだろうと思っているとそのまま引き寄せられる。
そうすればどうなるかなんて想像するの容易すぎて。


「…………ん」


唇が重なり、舌を入れられる。
時々ゼロスの口から洩れる声が耳に届く。
まるで聴覚を犯されるような感じ。
不快なんかじゃなくて寧ろ気持ちいぐらい。
でも少し今の押され気味な状況は気に入らない。


服に手を忍ばせてゼロスが驚いて声を上げた瞬間に自分から唇を重ねる。
しまったと言わんばかりにゼロスが俺の髪を掴む。
でも、もう遅い。
さっきのお返しと言わんばかりに舌を口内に侵入させていく。
わざと音を立てる様にしてやれば俺の髪を握る力が強くなる。
恥ずかしいんだと思う。
でも止めてなんてやらない。これもお返しだから。


「……はっ、あ、…んんっ」


何度も、何度も。
恋人がする甘いキスというよりも、獣が貪り合う様な激しいキス。
でも今はこれぐらいしないと足りない。
いくらでもゼロスを求めてしまう。
嫌がらないゼロスが可愛くて、可愛くて。
俺はやっぱりゼロスが大好き。
他に言葉が見つからない。
自分の語彙力の無さがもどかしい。
初めてもっと勉強しとけば良かったって思う。
………やっぱりいいや。
言葉がなくったって、態度で示せばいいのだから。


「ロイド…くんっ」


涙目になりながら俺を求めてくるゼロス。
そっと頬を撫でてやれば、涙を一粒こぼしこれ以上無いほどの笑顔を浮かべる。


「俺サマ、ロイド君がいないと駄目だわ…」


それはさっきからずっともっていた想い。
ゼロスが俺と同じことを考えていたのかと思うと嬉しくて仕方が無い。
もう離さないとばかりにまたその体を抱きしめた。




(僕たちは二人で一人)











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