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□君を見据えたトカレフが笑う
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笑顔で、実に良い笑顔であいつが俺に言い放った言葉は、「大嫌い」。
少なくても俺はそんな言葉望んでいなかったけれど、あまりにも良い笑顔のものだから思わず俺も笑顔でそっか、って言った。

不思議と悲しいとは思わないんだ。
可笑しいだろう?好きな奴にそう言われれば大抵の奴は心が痛くなるのに、そうならない。

でも俺にしてみればあいつが俺に本当の事を言う様になった事が嬉しすぎてその言葉が自分を拒絶するものだなんて認識していられないんだよ。
だって、あのゼロスがだぜ?

いつもいつも嘘を付いて、俺や皆に好きだの愛しているだの言っていたゼロスが俺に嫌いだって言ったんだ。
それってすごい進歩だと思わないか?
でもゼロスにこう言ったら気持ち悪いって言われた、でも、良いよ。それが本当の気持ちなら。

「俺さま、ロイド君の事好きになんてならないからな」

「良いよ。俺が勝手に好きなだけだから」

一度だけ眉毛を不快そうに動かしてゼロスはそっぽを向いてしまった。
嫌だったかな。俺はただ純粋にこの変化が嬉しいだけなのに。

追いかけるべきか追いかけないべきか少し迷ったけど、きっとゼロスの事だから戻ってくると思う。
何だかんだ言っても優しいあいつは自分の所為で誰かが傷付くのを心底嫌がるんだ。

嗚呼綺麗な奴。俺なんかよりもよっぽど純粋で、繊細。
でもゼロスは頭が良いから俺みたいな奴を好きになってはいけないってちゃんと分かってる。

正解だよ、ゼロス。

今は俺の事嫌いだって言うから追いかけたり引き寄せようとしないけれど、もしまかり間違って俺を好きだなんて言ったら。
もし、そう言ったのなら、きっとどこまでも追いかけて、俺以外を見れなくするかもしれない。

嗚呼恐ろしい奴。でも、ゼロスが本当のお前を見せてくれるのなら俺も見せないと失礼だと思うんだ。
なあ、だから。

(早く、こっちにおいで?)(本当の俺を、見せてあげる)






thanks! h a z y


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