庭球陰陽師
□02.怪奇
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朝4時半。
戒は自室のベッドから、のっそりと起き上がった。
「………」
ボーッとしている様子から、寝起きは弱いらしい。
<おっはよーーー戒!!>
「あぁ………
………
…晴か」
<Σ反応遅いよ!?>
戒の隣でフヨフヨ浮いている着物姿の少年は、朝からニコニコしていた。
…聞いていて分かるが、晴は"妖怪"だ。
晴は昨日呼んだ座敷わらしで、楽しい事があれば直ぐに飛び付く喜怒哀楽の楽を表した様な子供だった。
「ふぁあ〜…………。
あの中年親父に悪戯したの?」
<うん!
顔に"油性"ペンで落書きでしょ?
お仕事に必要なものはぜーんぶ隠したでしょ?
後ね、後ね…>
「(悪戯が壮大な悪事になった…)」
母さんの指示だな…。と思いつつ、日課であるジョギングの為戒は黒のジャージに着替え始めた。
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