書庫
□怪談(染吹)
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ーおわかり頂けただろうか…。
ーでは、もう一度…。
おどろおどろしいナレーションがテレビから流れている。
夏の風物詩怪談特集だ。
「うわぁ〜。見た?染岡君。人の顔だよね。人の顔!怖〜い。」
怖〜いなんて良いながらなんだか声が吹雪は楽しそうな声を上げる。
怖がりながらも吹雪は怪談特集をテレビのCMで見かけると見ようと必ず染岡を誘ってくる。
そして、それを染岡の足の間にちょこんと座って見るのだ。
風呂上がり。ようやくクーラーで冷えてきた体には、心地よい温かさがひろがる。
しかもシャンプーの香りなどをさせており非常にヤバい。染岡的に…。
すると急に吹雪がびくっとなり、
「うわぁ」
と言うと肩に回した染岡の手を抱き込むとギュッとしがみついてきた。
「今のビックリしたねぇ。」
「そんなにビビんなら見なきゃイイだろ。」
「怖いもの見たさなの。」