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□隣に(円鬼)
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「何見てるんだ?」
円堂は、鬼道の肩に顎をのせ手元をのぞき込んでくる。ピョコンと跳ねる前髪が頬に当たってくすぐったい。

「先日のキリンカップの試合の記事だ。アルゼンチン戦の。」
「あぁ!アレ凄かったな!アルゼンチンに初勝利だろ?」
円堂が興奮気味に身を乗り出してくる。
円堂が触れた肩は熱くフワリとお日様の匂いがした。鬼道はこの匂いも気に入っていて円堂らしいと温かい気持ちになる。
「良いなぁ日本代表!俺もいつか日本代表として世界と戦ってみたい!」キラキラと楽しそうに目を輝かせ、大きく拳を突き上げた。
「鬼道がさ、隣に居てくれるとどんなところにも行けそうな気がするんだ!」鬼道に目を向けるとまたニッと笑った。

「ああ!俺も円堂となら行けそうな気がする!」俺も円堂の隣りに居たい。共に走って行きたい。いつも勇気をくれるお前だから出来る限り俺も最後まで諦めたくない。
そう心で誓いつつ鬼道も円堂に向かって笑顔をみせた。



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