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□追い掛けて(染吹)
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「ずるいなぁ。小暮君ばっかり。僕も染岡君に追っかけて欲しいなぁ。」少々拗ね気味に呟くと「何だ?吹雪も俺に追いかけられるようなイタズラでもしたのかよ?」

「したら追いかけてくれる?」とおねだりするように上目遣いで見上げると、染岡君は、「おいおい!勘弁してくれよ。」両手を上げて笑っている。

「だってさ。なんかいつも僕ばっかり追っかけて、僕ばっかり好きみたいなんだもん」と頬を膨らませる僕に染岡君は困った顔をしていたけど、僕の肩をガッと肩を組むように抱き寄せるとそっぽを向きながら耳を赤く染め、「俺はずっとお前の隣にいるつもりだけど…。」とボソッと言った。
びっくりして目を丸くしている僕に「お前ばっかりだと思うなよ?」と言うとニッと笑って走り去っていく。
その後ろ姿を追い掛けながらやっぱり惚れた方が負けってことなんだろうか?と思う。でも大好きだから諦めるつもりはない。いつまでも追い掛けたいと思った。



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