ハピバ小説

□破天荒
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オレの1日は、おやびんを探すことから始まる。
このことは誰もが承知していることだ。
もちろん、今日も例外ではない。



「もう絶対去年みたいなことはしないでね!」


「…うぅ…ごめんなさい〜」



今日もおやびんを見つけると、オレは輝いているであろう目をパアッと開いてその場に近寄った。



「じゃあ私は準備してくるからね」


「オレの分はおっきく…」


「ダメ!」


「ショボン……」


「おーやーびーん!!」



嬢ちゃんと入れ違いでおやびんの所へ着くと、おやびんは早速変装を始めた。
ピンクのリボンの付いた白い帽子を被り、とても短いワンピースを身につけている。



「破天荒……」


「ヘイ、おやびん!」


「あなたの欲しい物ってなぁに?」


「オレはおやびんさえいれば他に何もいりません!」


「あなたって人は……!」



微笑ましい表情で尋ねてきたおやびんにさらりととんでもないことを言う。
これもまたいつものことだ。



強いていつもと違うことを言うならば、この辺りで銃弾を撃ち込みに来るボーボボが今日は来ないことだろうか。



「破天荒…あなたにコレをあげるわ……自転車の補助輪」


「ありがとうございますおやびん!感激の極みです!」


「いやいらねぇだろ!?」


「あ?」



予想外のツッコミに後ろに目を向けると、そこには不機嫌そうなガキが立っていた。



「なんだよ、おやびんとの至福の時間を邪魔するじゃねぇよ」


「飯だよ飯。首領パッチ、さっさとコイツ連れて来いよ」


「え〜、へっくん…妬いてるの?」


「違ぇよ!!とにかくさっさと来い!」


「はーい」



用件を済ますと、振り向くこともなくガキは戻って行く。



「イヤな奴ですね、おやびん」


「うわーい、ご飯だー」


「あぁっ、待ってください!」



おやびんの方を振り向けば、軽やかなステップでガキの戻って行った方向へと進んでいた。



「首領パッチスクリュー!」


「ぎゃああぁあぁあぁぁあ!!」


「きゃあぁあああぁあ天の助くーん!!」


「さすがおやびん!」



ところてんに猛スピードで攻撃をヒットさせんおやびん。
さすがはおやびんだ、一筋縄では行かねぇ。



「何すんだよ!?」


「あいさつ」


「おふざけ禁止ー!」


「ごめんなさいぃいぃいい!!」


「おやびーん!」


「えっと…ご飯食べようか」



少し離れた所から嬢ちゃんが何かを持ってきた。



「破天荒さん、お誕生日おめでとう!」


「…あ?」


「とっととケーキ食うぞケーキー!」


「コラ、首領パッチ君!」


そうか、だからさっきおやびんはオレに補助輪をくれたのか。



「お、お、おやぴーん!」


「フォッフォッフォッ」



デフォルメ化しておやびんへと抱きつく。



今日は、おやびんは最高だ。



「一生ついていきます!」


「…ケーキ食べないのかな」







→あとがき
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