ハピバ小説

□ビュティ
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『ビュティ、誕生日おめでとー!』



少し人里から離れた山の奥。
そこにはたくさんのモミの木が生え、ちらちらと降る雪がその枝に降り積もっている。
そんな山の中に、小さな小屋があった。



今日は、ボーボボたちがこの小屋を借りて、私のために誕生日パーティーを開いてくれたのだ。
まさに今がその真っ最中である。



「ありがとうみんな!こんな立派なパーティーしなくてもいいのに……」


「何言ってんだビュティ。誕生日なんだから遠慮するな」


「うん。ありがとう、ボーボボ」



テーブルの上には、ケーキやパーティー用の料理が数多く並んでいた。
誕生日パーティーというよりもクリスマスパーティーに近いように思う。



「ゲヘヘへ旨そうなチキンだな〜」



いや、戦争かもしれない。



「じ、じゃあ食べよっか!」



私は見かねて料理に手をつけようと手を伸ばした。
すると、意外にも首領パッチ君にそれを止められる。



「待てよ」


「え?」


「ホラ」



私を止めた首領パッチ君の手には小さな箱が握られていて、その箱を私の手の上にポンと乗せた。



「開けてみろ」


「もしかして…プレゼント?」


「まぁっ、何て小娘なの!?鈍感を気取ってヒロインになろうったってそうはいかないわよ!」


「えぇっ!?」



この流れから察するに、誕生日プレゼントで合っているらしい。
1番意外な人物からのプレゼントだ。
何だろう?



「首領パッチ君、開けるよ?」


「ケッ」



わくわくしながら私はその箱を開けた。




ビヨヨ〜ン




「きゃっ!?」


「ギャハハハひっかかったー!」



首領パッチ君がくれた箱はびっくり箱だった。
シンプルな物だったけれど、完全に油断していた私には十分な威力だ。



「ちょっと、首領パッチ君!…ん?」



文句を言ってやろうと思ったら、箱の隅に2つ丸い物が転がっていた。
コレは……飴玉?
黄色に赤や緑が混じっていて、不思議でキレイな色をしている。



「首領パッチ君…コレ……」


「ハジケ組からのプレゼントだ。いいか、特別だからな!」


「ありがとう!コレ…飴玉だよね?何味なの?」


「ピザ味だ」


「そ、そうなんだ……」
 
 
 
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