Nostalgic Fantasy

□銃の声
1ページ/4ページ




めまいがする






吐き気もする








腹部に受けた銃弾からくる激痛で、意識が朦朧としている







だが土に塗れて仰向けになりながらも、自分の銃だけは放さない







戦場で信じるられるのは銃だけだから









空には銃弾が飛び交い、青い景色に朱い流れ星が流れていた








草や土の匂いと混じって、血の匂いもする








無線から何かが聞こえてるが、意識が朦朧としているために、何を言っているのかがわからない







何人の仲間が生きているのか?







何人の敵が攻めてきているのか?







友軍は撤収できたのか?









近くに砲撃が落ちた








爆発によって舞い上がった土やら石やらヘルメットが動かない体へと降り注ぐ






疲れていたせいか、眠くなってきた








瞬きをするのも辛くなってくる






沈みゆく意識の中で仲間の顔が笑いかける






それを見て、自分も笑みを浮かべる









ゆっくりと閉じていく瞼は最後まで空を見続けた












この地に眠る、真の英雄達に捧ぐ










Nostalgic Fantasy
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ