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□第四章『狩人達の鎮魂歌』編
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テリーヌ国関所前







殺伐とした雰囲気の中、対峙する彼等にはこの先に何が起きるかがわかっているのだろうか







関所に吹く風が少し強くなる




「団長、クエストの半紙を確認したところ、王子とその一行はテリーヌ山に現れた古龍クシャルダオラの討伐が目的かと」



傍らで礼の姿勢をとっていたクルセイダーが、男へ知らせる様に口を開く





『団長』という言葉を聞き、その男を再度見直した





確かにクルセイダーの一般団員とは纏うオーラが違う





幾多の死地をくぐり抜けて来たであろう自信に満ち溢れた態度





だが、今その表情は強張っていた




「なんと…まさか王子がクシャルダオラを討伐しに行くとは…。
王子が高名なハンターだというのは承知しておりますが、相手が古龍となれば尚更ここを通す訳にはいきません」




クルセイダー団長は真剣な表情と共に軽く首を振る




「俺は国を捨ててハンターとなった男だ。
相手が古龍だろうが、己の危険など省みない。
それをお前に止められる理由などないはずだ」





エースのその強い拒絶に、辺りの空気がやや固まった





だがそれでもクルセイダー団長は食い下がろうとしない





「私達は国王から王子を連れ戻せとの命を受けているのです。
…ここを通すわけにはいきません」





そう言って男が一歩前に出るとエースから肌を指すような殺気が溢れる






「今の俺は国王の言いなりになる必要はない!
どうしても通さないつもりなら、強行突破するまでだ!」





強い口調のエースはそう言って自らの拳を握りしめる





それを聞いたクルセイダー団長はため息をつき、剣の柄に手をかけた





「王子…あなたは変わっていませんね。
…そちらが強行突破する気ならば、我々はそれを全力で阻止するまで」






態度と口ぶりを見るかぎりかなりの自信を持っているのだろう





どうやら独立国の騎士団のトップに見合うだけの力はあるらしい






チラリとエースを見ると、ボウガンに手を伸ばす所で目が合った





「…フランツ、立て。お前にも手伝ってもらう」





「あ?…あぁ」





突然の催促に戸惑いながらもゆっくりと腰を上げ、体についた砂を掃う





俺が体をほぐしている横でエースが再び声を上げリノールを呼んだ
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