ショート劇場

□ストーカーとは違います
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『晋助さん、ストーカーは殺しても罪にはなりませんよね?あぁ…罪になったら晋助さんに擦り付ければいいのか。』

「おーい、目が据わってんぞ。」


突然おかしな発言をするガキ、元からおかしいとは思っていたがついに狂いやがった模様

しかしコイツは電波でチキンのくせに誰よりも優秀な部下

そのまま放置すると後のクーデター計画に影響し兼ねないので話だけは聞いてやる事にー……


「…ったく、愛用の刀でもなくしておかしくなったか。」

『刀は此方にありますよ、あのストーカー野郎が原因です。』


細く白い人差し指がある一点を差す、何があるのかと思い俺が視線だけ移して見れば其処に万斉の姿があった。

此方をじっと見ていて嫉妬やら怨恨のオーラを纏う万斉

はっきり言って敵を前にしたアイツよりも滅茶苦茶怖かった。


「むむむっまた晋助と話しているでござる、今月だって…拙者より6回は多いでござるよ。許さぬっ……許さぬぞ晋助ッッ」


明らかにおかしい、何故かって?そりゃあ右手にビデオカメラ左手に藁人形を持った奴がブツブツ言いながら俺を凄く睨んでいるからだ

俺の目の前に居る女…コイツが原因だろう、万斉と何があったかは知らないが面倒事だけは避けたかった。


「おーし、分かったからとりあえず俺の前から消えてくれ。」

『ななな何でですかっ!何時ものようにお金でパパッと解決して下さいよ金食い虫の晋助さん!!』

「テメェの髪全部切り落としてやろうか。」


刀の柄に手を掛ければ一瞬にして青ざめる、人斬りのくせになさけない声を上げて。コイツ俺を完全にナメてるのか


『髪切られたら仮装萌えちゃんパーティーに参加出来なくなっちゃうじゃないですか!』

「…は?仮装だァ??何だよそれ。」

「拙者が説明してやろう、晋助だけには話していなかったでござるからな。」

『うわッ!』


俺達の間からひょこっと現るはコイツ曰くのストーカー、ビデオカメラをこのガキに向けて笑顔を零す万斉はとても腹立たしかった。


「10月10日と言ったら萌えの日でござろう?だから拙者主催のパーティーを開く事になったでござるよ。」

「………何やってんだよテメェは。」


クーデター計画に力を入れてなかったのはその所為か、ああなるほど

俺が呆れ返っていると万斉が懐から1枚の紙を取り出しコイツの手にギュッと握らせた、若干呼吸が荒いのは気のせいじゃ……ない


「それよりもコレ、我慢出来ずに書いちゃったでござる。」

『な、何ですかこの紙。』

「婚姻届とでも言えばよいのか、拙者も男。早くぬしの身体で拙者の火照った身体を慰めー……」

『要らない、シュレッダーにでも掛けてこようっと。』


万斉から婚姻届?を受け取ったコイツは絶対零度の瞳を輝かせてこの場を去った、アイツ万斉にだけは異常に黒い気がする

俺の気のせいではないだろう


「…ッは、何処まで拙者のツボを刺激すれば気が済むのか。晋助……拙者ちょっとだけ駄目でござるっ」

「おめェ人斬り辞めろや。」



(拙者はただ純粋に彼女を愛しているだけ、其処等のドMな変態共とは一緒にするな。)


「あのツンデレがたまらぬ、あっ…少し妄想しただけでも鼻血が。」
「………ッッ」
「婚姻届また貰ってこないといかぬな、全く…照れ屋なところも可愛過ぎでござる。」
「頼むから鬼兵隊も辞めてくれっ!」


残虐テロ集団の鬼兵隊、罪を背負いし人間達は更に(愛情や恋情に関する)罪を重ねるのでした。


2010,10,08 「この変態!」様 提出
 

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