汝は人狼なりや?

□プロローグ
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一見何処かの屋敷かと思われる空間



しかし此処は日本やイタリア・・・それ以前に人間界と言うには少しばかり遠い異界で



そんな人間達には到底理解出来そうにないこの世界の中には2人の男女が互いに向かい合い、何か話をしていた。



「暇だね、ユニ。」


「・・・。」


「どうしたの?もしかして退屈に屈服でもしちゃった??遊び相手でも連れて来てあげようか。」



1人はニコッと淡い笑みを浮かべて少女に話し掛ける白い服を身に纏った男、もう1人は男とは正反対に黒を中心としたドレスを身に纏う可愛らしい女の子だ



他人が見たらお嬢様と執事の様な関係を思い浮かべそうになるだろう



だが実際はそのような関係は皆無



「貴方は退屈がお嫌いなのですね、流石はこの世界に君臨する神・・・と言ったところかしら。」


「ユニも神様なんだから退屈は嫌いでしょ?否、この世界の者は皆嫌うはずだよ。」



少女はお嬢様どころか男に対して敬語口調、外見は嘘とでも言わんばかりに上下関係は逆で男の方が立場は上



上の会話でも分かると思うがそもそも彼等は人間ではない、人間は人間でも我等が生まれ育った世界の人間とは違いもっともっと上の存在なのだ



「ねぇ、久々にゲームでもやらない?ちょっとだけ過激なゲームなんだけどね。」



ゲームと言う単語に少女の目はピクリと動く



「・・・下界のゲームですか?」


「そうだよ、駄目かな?確か名前は・・・汝は人狼なりや?って言うんだ、名前からして物騒だと思わない??」



"名前の通り人に化けた狼を探すゲームね"



近くにあったお菓子を口に含みながら白蘭が語り始めた。



それをユニは黙ったまま耳に入れる



「村人チームと人狼チームに分かれて殺し合いをするんだ、・・・と言っても戦いの方じゃないけど。」



殺し合いと言っておきながら戦闘ではないのか、少女は意味が分からないとでも言わんばかりに首を傾げる



「このゲームの物語は狼に村を支配されそうになるのを防ぐため、村人が毎日会議をやって1日1人を処刑するもの。」



"だから一方的に殺されるってわけ"



疑心暗鬼に囚われる者を見て楽しいと言う事だろうか、ユニは働かない脳をフルに回転させ答えを導き出した。



「・・・駒は、」


「もちろん揃ってるよ、だからこうしてユニを誘ってるんだ。明日ちょうど人間界の方で誕生日パーティーがあるんだって」



白蘭が人間の世界を散歩していたら偶然にも耳に入ったらしい、何て運のない



「人数は主催者を合わせて17人・・・だったはず。」


「・・・・多いですね。」


「そんな事ないよ、寧ろ少ないかな?だって大人数でやるゲームだから。」



本来汝は人狼なりや?と言う人間のゲームは大人数でやる・・・しかもネットなどでやる遊び、多いと30人を超える事だってあるのだ



「今回は人数が少ないし、最低限必要な役職だけにしておこうかな。」



村人5人・狼3匹・そして共有者2人、それ以外の占い師・霊能者・狩人・オカルトマニア・狂人・妖狐・悪魔はそれぞれ1人ずつ



元から知っていたかの様に白蘭は設定を決めていく



ユニはただそれを聞いているだけ



「あっ、どうせ見ているだけじゃ退屈しちゃうだろうし賭けをしない?」


「・・・賭け、ですか。」



あまりルールを把握していないユニは不満そうな顔で白蘭を見る、彼は表情の読み取れぬ表情を浮かべると後でルール説明するからと付け足した。



「村人チームと人狼チーム+三大勢力、ユニはどちらに賭ける?」



簡単に言えば人間と獣のどちらが勝つか・・・・と言う事、彼女は暫く悩んでから答えを出した。



「・・・人狼と三大勢力にします。」


「なるほど、やっぱり勝利確率が高い方を選んだね。ユニが人外を選んだって事は僕が村人チームか」



白蘭は人、ユニは獣を選んだ



どちらが勝つかは17人の駒によって決まる



「楽しみだねユニ、なんせ賭けるモノが大きいんだから。


「・・・・・っ」



時は満ちた、さあさ悪魔のゲームを始めようではないか。終わる事のない"永遠"のゲームをー・・・



〜プロローグ終了〜
 

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