Short
□勉強しようか
期末テストまであと一日
「終わらん!終わらへんで!!」
「謙也うっさいわ!気ぃ散るっちゅーねん!」
手にはシャープペンを握りしめられ、テーブルの上には教科書と問題集が置いてある。
書き込み式………回答欄はまったくといっていいほど埋まってはいない。
「せやけどユウジ…気ぃ散るとか言う前から、まったく手ぇ動いとらんやんか」
「ぐ………言うなや」
重い空気が漂う。
ちなみに謙也も手はまったく動いていない。
「っちゅーか!一日前にこんな沢山宿題出すなっちゅー話や!!」
「せやせや!」
「明日までっちゅーのもひど過ぎるやろ」
宿題は数学と歴史と英語の三つしかないが、とにかく量が多い。
「…あー……やる気せぇへん。ちょぉ休憩しようや、な?」
「せやな…。ほな俺、ジュース持ってきたる!」
そう言うとユウジは立ち上がり部屋を出て行った。
部屋に残った謙也は床に寝転がる。
――そういえば…ユウジん家に来んのは初めてやな
辺りを見渡すと青学戦でユウジ達が貰った覆面が目にはいった。
「なんや…懐かしいなぁ」
――あん時のユウジ……かっこよかったわ
い、今もかっこえぇけど!
……………
「…ってなにいっとんねん俺は!!///」
謙也は近くにあったクッションを掴んで顔を隠した。
廊下から足音が聞こえてくる。ユウジが戻ってきた様子。
「謙也ぁ、青汁なかってん…スポドリでえぇ?」
「っちゅうか、スポドリしか持ってきとらんやないか」
「他になかったっちゅー話や☆」
「あ!人のとんなや!」
「マネたもん勝ちや」
付き合っとるけど
ユウジとは前とあんま変わらへん
変わったんは、その…キスするくらい?///
謙也は、ユウジの持ってきたスポドリを手にとり、一気に飲み干す。
息を吐いてシャープペンを握りなおした。
「…ほな、もう一頑張りしよか!」
「せやな!」
タイムリミットはあと一日
END
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