―天地を越えて― book

□標的2 対面
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本当に、彼女だ。


本当に、雪音だ。



俺も自然と微笑んだ。けれど、本当に雪音だったなんて…
確かに、夢の中で出会う彼女も、本物のように感じた。実在するようだった。
実際に出会えたことの喜びが、とても、大きい。雪音はキョロキョロと周りを見渡す。そして、1枚の紙切れを俺の手を手に取ると、その掌に置いて握らせた。



『…この日、休みでしょう?ゆっくり…お話ししましょう。』



雪音の顔が近づいてきて、俺の顔の横を通る。肩に乗せられた綺麗な手。先程よりも縮まった距離。



そして、頬に柔らかい感触。



雪音の顔が離れた。彼女は再び微笑み、



『Ciao.また会いましょう、綱吉。』




後ろへ飛んで、顔はこちらへ向けたまま、体を校門の方へ向けた。
そしてまた、微笑む。前を向いて、走り出した。遠くへと消えていく彼女の姿。
呆然とその場に立っている俺は、彼女のその姿を目で追っていた。
姿が見えなくなったとき、俺は渡された紙切れの中身を読んだ。



【明日の午後1時、並中の校門に来て】



綺麗なその字は、こう、書かれていた。明日は土曜。ちょうど休みだ。
雪音はそれを知っていて、渡しに来たのだろうか。それだと…嬉しいな。
俺は紙切れをギュッと握る。




「じゅ、10代目……」


「ん?何?どうしたの?獄寺君。」




近づいてきた獄寺君と山本。俺は2人の方へ向いた。




「…ツナ、やっぱり…知り合いなのか?」


「うん。」



2人の後ろで、他の男子の目が光った気がした。俺は悪い予感がしたので、2人を「走るよ!」と促して、急いでその場を去った。
2人には、夢の話をすると、驚いていた。リボーンのときも、少し驚いてたっけ。母さんは驚いてないけど。


家に着くと、俺は2人と別れた。

今から、明日が楽しみだった。今日はちゃんと寝なきゃな。
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