―天地を越えて― book
□夜紀のバレンタイン。
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「雪音、これでどうだっ!」
『まだまだっ!甘いわっ!!』
「くそ〜っ!!!」
カタカタカタッ
俺の家に自動泡立て器なんてものが存在するわけがない。だって…雪音はいつも普通に泡立ててやがるし。
こんなに大変だなんてなぁ………。うぅ……手が冷たい。
俺は必死に泡立てる。くそっ、こうなったら、とっても素敵なチョコクリームにしてやる。
無心で泡立てる。
『あ、夜紀。それぐらいでいいわ。味見、してみて。』
俺はクリームを指ですくって舐める。
「ん、美味い。」
『あら、本当?良かった。』
「よし、雪音。クリーム泡立てたんだから俺に教えろっ!!」
『はいはい……』
夜紀のバレンタイン。