イナズマイレブン

□イナズマイレブン 春奈は弟
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ついにやって来ました春の文化祭。
休日で一般参加者歓迎!もう、人が集まるのなんの。
しかも、サッカー部のメイド&執事喫茶は大入り満員だ。

「コーヒーセット、出来ました。」

裏方では壁山と栗松、小林、メガネ、宍戸等など執事服がいまいちだった奴らが働いている。

「はーい、写真は一回200円ですよ。」

と、メイドさんの写真を撮ろうとする客に土門は言った。
地味にこの店は土門が取り仕切っている。

にしても、佐久間とか風丸とかのメイド目当ての男性客やら、豪炎寺や一之瀬などの執事目当ての女性客やらで人が多い。
後は、春奈の部下達がひっきりなしに来ている。

「あ、メイドに触ると罰金5万円ですよ。」

と、半田に触ろうとした客に土門は言った。
地味に半田と風丸は何度か触られそうになって大変だ。
一番狙われそうな佐久間と春奈は、鬼道の殺意の籠った殺気と春奈の部下達の恐ろしい視線で守られている。
で、マックスは上手くかわしているので平気そうだ。

「いらっしゃいませ、ご主人、うわ!アフロディー!」

と、新しく来た3人の客を見て佐久間は嫌そうな表情になる。
その3人はゼウスサッカー部のアフロディーとその御一行様だ。
アフロディーは佐久間を狙っている男子の一人である。

「やあ。面白そうだから遊びに来たよ。」

と、笑顔で言うアフロディー。
後ろにいるヘルメスとデメテルは苦笑している。

「帰れ。今すぐ帰れ。」

と、佐久間が言おうとすると土門が

「お席はこちらになっております。」

と、さっさと3人を席に案内する。
ぼったくる気満々だ。
で、席に案内された3人。
アフロディー以外はこのメイド喫茶に戸惑っている。

「佐久間、このメニューを持って行け。」

と、土門は源王とかアフロディーが来た時ようのやたらと値段の高いメニューを佐久間に渡す。
どこまでこいつ金の亡者なんだ。佐久間は力一杯土門を蹴り飛ばしたくなったが、何とか理性で抑える。

「どうぞ。」

メニューをテーブルに叩きつけながら佐久間は言った。
態度が悪いな。
いや、それだけアフロディーが嫌いなんだろうけど。
とりあえず、メニューを見る3人。
で、

「僕は紅茶セット。」

と、アフロディー。

他の二人は

「コーヒーを1つ。」

と、頼んだ。

「かしこまりました。飲んだら、さっさと帰れよ。」

と、佐久間。
アフロディーが凄く、凄く楽しそうなのがムカつく。
紅茶に醤油とか塩とか入れてやろうかと考える。

「態度悪いメイドだな。」

と、ヘルメス。
するとアフロディーが

「あれが、ツンデレのメイドさんてものだよ。」

と、笑いながら言った。

デメテルは何かが違うだろ。そう思ったが面倒なので口にださない。
てか、どうせなら佐久間ではなく春奈にメニューを運んで来てもらいたかった。
デメテルとしては、あまりこう言った店には来たくはなかったが、春奈もいると思い色々と(プライドとか自尊心とか)捨てて来たのだ。

「ところで、お目当ての音無と写真を取らなくていいのか?」

と、ヘルメスが茶化す。
すると、デメテルは持っていたアタッシュケースでヘルメスを殴る。

「こんの野郎!殺す気か!」

と、ヘルメスが怒鳴る。
するとデメテルは

「黙れチビ。次何か言ったら、角で殴る。」

と、言いって火花を散らす。
そんな二人のやりとりは気にしないアフロディー。
でもって、奥手なデメテルの為に

「メガネっ子のメイドさん、彼が写真を一緒に撮って欲しいみたいですよ。」

と、さらりと言うアフロディー。
デメテルはさすがにアフロディーは殴れないらしく、心の中で悲鳴を上げる。
てか、勝手に呼ぶなよ。

「一回2000円になりまーす。」

と、笑顔で春奈は言った。
無茶苦茶可愛いんですけど。そんな事を思いながら赤面するデメテル。
てか、2000円って、高くないっすか?
ぼったくりだよな。
そんな事を思う周りの客たち。
しかし、金持ち学校出身のゼウスのメンツには安い値段だ。
彼らの金銭感覚で2000円は一般人で言うところの200円程度。
ちなみに、帝国の奴らの金銭感覚も同じ。

「え、あ、はい。」

でもって、デメテルは財布から現金1万円を取り出す。
それを春奈は笑顔で受け取り、土門に渡す。
で、土門はレジからおつりを取り出す。

「じゃ、撮りますよ。はい、チーズ。」

と、言って土門はインスタントカメラで写真を撮る。
デメテルは顔を真っ赤にしている中、春奈は笑顔でデメテルにくっついて写真を撮る。
春奈、それはちょっとサービスしすぎだろ。そんな事を思うブラコンな鬼道。
でもって、春奈の部下達は羨ましそうだ。

「良かったじゃん。」

と、ヘルメス。

「なんでしたら、携帯でも撮りますか?1回2000円で。」

と、土門は言った。
すると、素直に頷き2000円を払うデメテル。
で、携帯を土門に渡す。
金の亡者だ。
そんな事を思う周りの人間たち。

「来て良かっただろ?」

と、写真を撮り終えて嬉しそうなデメテルにアフロディーは言った。
するとデメテルは嬉しそうにうなずく。

「コーヒーと紅茶セット、お待たせしました。早く飲んで帰ってください。」

と、言って佐久間がコーヒーと紅茶セットをテーブルに置く。
どこまでもつんつんしているな。

「土門君、メイドさんって、いくら出せばお持ち帰り出来るのかな?」

さり気に腐れ外道な事を聞くアフロディー。
ちょっと、さすがにそれは不味いですから。
てか、いくら土門が金の亡者と言え、それはどうなんだ?
つうか、土門なら売りかねないから怖いんだよ。
佐久間は不愉快そうに土門を見る。

「お持ち帰りはしていません。」

と、鬼道と春奈の殺意に気圧され、土門は言った。
あの兄弟、こう言う時はこれでもかって位息がぴったりだ。

「なら、何ならいいのかな?」

と、諦めないアフロディー。
毎度毎度この金持ち系はと、思う佐久間と雷門のサッカー部員たち。
すると土門が冗談半分で

「キスまでですかね。ちなみに現金で1000万円になります。」

と、言った。
流石に、現金で1000万円は持ち歩いていないだろう。
そう思う一同。
てか、帝国にもそんな奴はいなかった。

「デメテル。」
「はい。」

デメテルがアタッシュケースをテーブルに置いて、開けた。
すると中にはびっちりと1万円札が詰まっていた。
推測するに、2億はある。
唖然となる一同。
でもって、その中からデメテルが1000万円取り出す。

「マジっすか。」

と、呟くしかない土門。
てか、普通の学校の文化祭に2億近く持って来るなよ。
でもって、デメテルは財布係なのかよ。
あれ、絶対持ち歩くの大変だよな。そう思う一同。
つうか、佐久間はピンチ。
全面的に土門のせいで。

「待て!俺は嫌だぞ!」

と、佐久間は拒否る。
当然だな。いや、むしろ拒否らない方がダメだし。

「ちゃんと払ったよ。」

そう言って、佐久間に近づくアフロディー。
アフロディーを阻止しようと鬼道と春奈が佐久間に近づこうとするが、ヘルメスとデメテルに邪魔されてしまう。

「邪魔しないでよ。」

と、春奈がヘルメスに言った。
ここでデメテルだったら素直に退いていただろう。
それが分かっていたのであえてヘルメスが春奈を阻止しに行った。

「土門!何とかしろ!!」

と、この事態の原因である土門に向かって佐久間は叫んだ。
すると金に目がくらんだ土門は

「佐久間、お前の犠牲で春の文化祭の売り上げトップはサッカー部になる。」

と、言って、あっさり見捨てた。
最低だな。
でもって、他のメンバーは助けた方が良い気はするが、ゼウスの奴らと関わりたくないので見守っている。

「お前、後で絶対復讐してやる!!」

と、叫ぶ佐久間。でもって、ついにアフロディーに追い詰められた。
鬼道と春奈が止めようともがくがどうにもならない。

「土門、お前最悪だな。」

と、一之瀬。
すると土門は

「ま、これも佐久間の宿命だ。」

と、開き直りやがった。
でもって、土門は心の中で、怒った時のお前に比べればカワイイもんだ、と付け足して置く。正直一之瀬がマジギレしたら最悪だ。手がつけられなくなる。

「土門!金に目がくらみやがって!後で後悔させてやるからな!」

と、デメテルを押しのけようとしながら鬼道は言った。
うーん、後がちょっと怖い気がしてきた土門。
ま、佐久間を売った時点で後が怖い事になるのは目に見えているが。

で、そんな中ついに佐久間がアフロディーに捕まった。

「触るな!」

と、手をつかまれた佐久間はアフロディーに向って怒鳴る。
しかし、アフロディーは全く気にしていない。
でもって、佐久間に顔をぐっと近づける。

「本当に君は可愛いね。」

そう言ってアフロディーは佐久間の唇を奪う。
でもって、客だった腐女子の方々はその瞬間をひたすら撮影する。
代金はすでに支払い済みである。

「死ねよ!お前、マジで死ね!」

と、顔を真っ赤にしながら佐久間は言った。
で、ひたすら口を拭いている。
よっぽど嫌だったんだな。
てか、誰も助けないこの状況はダメだろ。
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