捧げ物

□戦え体育祭
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授業がつぶれる日々が過ぎ、限りなく迷惑な体育祭当日になった。
でもって、体育祭当日。土門は鬼道を朝一で部室に呼び出していた。

「土門、朝一で俺をわざわざ呼び出したんだ。何か理由があるんだろうな?」

と、不機嫌極まりない声で鬼道は言った。
今日はどこのクラスも負けられないため、ピリピリしている。
そんな鬼道に気圧されながらも、土門は

「頼みがあるんだ。最後の学級対抗リレーに佐久間を出させないで欲しい。」

と、言って頭を下げた。
鬼道は、珍獣でも見るような眼差しで土門を見た。
はっきり言って、土門が何を企んでいるのかが理解できない。
なぜ、佐久間を学級対抗リレーに出したくないのか訳を考えてみるが、佐久間のクラスを貶めようと考えていない鬼道には土門の考えが理解できない。

「何故、佐久間を出させたくないんだ?」

「俺らのクラスは、佐久間のクラスの妨害作戦を計画している。あのクラスが最下位になれば、罰ゲームは受けなくていいし、佐久間のネグリジェ姿という、貴重な姿を見れるし。」

と、土門は今回の計画を鬼道に話す。
鬼道は土門に呆れかえってしまうが、冷静に考えると一番効率がいいかもしれない。
佐久間のネグリジェ姿なんて、犯罪級に可愛い姿が見れて、罰ゲームを受ける必要性はなくなるのだ。
なら、ぜひとも見たいと思うのが人間というもの。
鬼道は、特に土門にツッコミを入れる事なく

「協力してやろうじゃないか。」

と、あっさりと承諾したのであった。
こうして佐久間の知らない所で、色々と根回しする土門であった。
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