イナズマイレブン

□月以上太陽以下の輝き
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俺の名前は闇野 カゲト。
でも、誰も、闇野、カゲトとは呼ばない。
ずっと、こう呼ばれている

シャドウ

と。
別に、不満はない。
それに、俺の呼び方としては正しいだろう。
俺は、影。闇そのもの。
誰も、俺と共に居ることなんてできない。
俺は、影。
光のない、光を消し去る、暗い、影。
人の心の闇を強くし、光を消し去ってしまう存在。
何故、俺といるだけで、人の心が影に覆われ、光を失うのか、知らない。
ただ、俺と居ることで、その人間は、心の光を消えてしまう。
だから、俺は、誰ともつるまない。
誰かと一緒にいることはない。
光を消してしまう、そんな俺は誰かといてはいけないから。
言葉さえ忘れてしまうほど、長く、孤独だった。
それでも、良かった。
誰かの光を奪うぐらいなら、輝きが消えて行くのを見るぐらいなら、孤独な方が、ずっと、ずっと、良かったから。
でも、そんな俺にも、初めて、仲間と呼べる存在が出来た。
決して消えない光。周りを照らす、強い光。
俺の闇の力を消してしまうほど、輝き続ける光を持った男、円堂 守。
眩し過ぎるけど、それでも、円堂といれば、俺の闇は消えてしまう。
円堂の近くでなら、人の輪に入れる。
それは、長く続かない、一時の、安らぎのような物なのだろう。
それでも良かった。
孤独な闇の中から、抜け出したかったから。
けど、そうやって、光の中にいたせいで、忘れてしまっていた。
俺の、人の心の闇を強くする、その力の事を。
楽しかったせいで、初めて、自分から、人に近づいてしまった。
俺にとっては、してはならない、円堂がいないのに、光がないのに、してはならない事だったのに。
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