その他の物語

□食べないで!
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ヴァル「母さん。ただいまー。」

フィリア「お帰りなさい。」

リナ「へー、その子がヴァルガーヴ。」

ガウリイ「小さくなっちまったな。」

ヴァル「誰?」

リナ「アタシは、リナ。こっちはガウリイ。」

ガウリイ「よろしくな。」

ヴァル「リナ?・・・・・・ま、まさか、リナ・インバース?」

リナ「あら、よく知ってるわね。フィリアから何か聞かされてるのかしら?」

ヴァル「う、うわ〜〜ん!!良い子にします!家の中で野球しません!お手伝いもちゃんとして、勉強もちゃんとするから食べないで!!」

リナ「ちょ、ちょっと。」

ガウリイ「泣いちまったぞ。」

リナ「フィリア、あんた、あたしの事をどう説明してたのよ!」

ジラス「悪い子はリナ・インバースに焼いて食われる。」

リナ「何ですって!あんた、人を何だと思ってんの!!」

フィリア「えっと、ほら、お化けで子どもを怖がらせるのとおんなじ感覚ですよ。」

リナ「お化けでやれ!あたしでやるな!変な噂が広がったらどうするのよ!」

ガウリイ「まあ、でも、8割は事実、ぐは!」

ヴァル「うぅ。ジラス。俺食べられるの?」

ジラス「そんな事はない、はず・・・・・・。」

リナ「食べないから!」

ガウリイ「でも、リナ。お前前にドラゴン料理食べようとしてたよな。」

ヴァル「うわーーん!やっぱり俺食べられるんだ!!」

リナ「た、食べないわよ!だって、ヴァルガーヴは人の形してるし。」

ジラス「そういう問題!」

リナ「うん、そういう問題。」

ヴァル「うぅ、じゃあ、食べない?」

リナ「食べない、食べない。」

ヴァル「よ、良かった。」

フィリア「えっと、とりあえず、リナさん。夕食食べていきますか?」

リナ「そうね、食べていくわ。それに、あんたとはきっちりはなすことが有りそうだしね。」

ガウリイ「リナ、目がマジだぞ。」

ヴァル「はァ、怖かった。」

ガウリイ「まあ、リナは確かに怖いからな。あんまり怒らせないようにしろよ。」

ヴァル「怒らせたらどうなるの?」

ガウリイ「食べられる。」

ヴァル「うぅ、怖いよ。うぇ〜ん!!」

リナ「ガウリイ。嘘教えてんじゃないわよ!てか、食べないから。そのネタから離れなさいよ。」

ヴァル「食べない?本当に食べない?」

リナ「食べないわよ。」

ヴァル「じゃあ、いいや。」

フィリア「あら、ヤダ。ヴァル、ちょっとお使いに行ってきてくれないかしら?にんじんとカボチャと、鶏肉がないわ。とりあえず、このメモにあるものを買ってきて頂戴ね。」

ヴァル「分かった。って。あれ?いつもより多くない?20倍近いよ。」

フィリア「リナさんとガウリイさんとなると、それでも足りないかもしれないわ。」

ヴァル「この量は、俺、もてない。」

ガウリイ「ア、なら俺が一緒に言ってやるよ。」

リナ「ガウリイがお使い?心配だからあたしも行くわ。」

ヴァル「え?」

リナ「なに、その、え?って。何、不満でもあるの?」

ヴァル「な、ななないです!!」

ガウリイ「リナ、脅すなよ。脅えてるぞ。」

リナ「脅してないわよ!」

ジラス「俺も、行った方がいいですか?」

フィリア「ジラスは店番があるでしょう?」

ジラス「でも、不安になる、あの組み合わせは。」

フィリア「ま、まあ、大丈夫でしょう。・・・・・・たぶん。」

ジラス「・・・・・・。」

フィリア「・・・・・・。」



ヴァル「えっと、あと、お肉買ったら終わり。」

ガウリイ「重い。リナ、少しはもてよ。」

リナ「力仕事はあんたの仕事でしょ。」

ヴァル「あ!ちょ、こっちの道はダメ。向こうから回ろう。」

ガウリイ「な、なんでだよ!」

ヴァル「う、えっと、ね。虐めっ子がいるから、通りたくない。」

リナ「へ?あんた、まさか虐められてるの?」

ヴァル「う、うん・・・・・・俺、ドラゴンだし。角あるし。」

リナ「角?って、は!小さいけど生えてた!!」

ガウリイ「おー。」

リナ「でもさ、あんたなら、やり返せるでしょ?」

ヴァル「ム、無理だよ。怖いし。」

リナ「昔の面影0!」

ガウリイ「まあ、まだ、子どもだしな。」

リナ「しょうがないわね。あたしが喧嘩のこつ、教えてあげるわ。」

ガウリイ「おいおい。」

ヴァル「え?ム、無理だよ!俺、子ども食べる趣味ないよ!」

リナ「誰がそんな事教えるか!てか、あたしにもないわよ!」

ヴァル「じゃ、じゃあ、どうするの?」

リナ「簡単よ。ファイアボールの一発ぐらいで大抵の奴は脅えて逃げ出すわ。」

ガウリイ「いや、それダメだろ。てか、こいつ魔法使えないだろ。」

リナ「竜族なら何とかできるでしょ。てか、レーザブレスの1つでも吐きなさいよ。」

ヴァル「できないよ。挑戦したけど、出なかったし。」

ガウリイ「挑戦はしたのか。」

ヴァル「う、うん。でもダメだった。」

リナ「じゃあ、思いっきり泣かしちゃいなさい。うん、それで解決。ってことで行くわよ。」

ヴァル「え?ちょっと、イヤだーーー!!」



ヴァル「うぅ、怖いよ。」

リナ「男なら立ち向かいなさい!」

ガウリイ「いや、でも、サイズが4倍近く違うぞ。」

虐めっ子(どう見てもごろつき)「あぁ、やんのかチビ。」

ヴァル「うぅ、何でこんな事に。」

ガウリイ「リナと関わったせいだろ。」

リナ「たくましくなるのよ、ヴァルガーヴ。」

ガウリイ「だそうだ。頑張れよー。」

ヴァル「人事だと思いやがって。って、う、うわ!」

虐めっ子「っち、ちょこまかと逃げやがって。」

ガウリイ「圧倒的に押されてるな。」

リナ「場慣れしてないみたいだから、仕方ないわね。」

ガウリイ「他人事?まあ、とりあえず、おーい。負けたりしたら、弱ってる隙にリナに食われちまうぞー。」

ヴァル「それはイヤー−−−!!!」

虐めっ子「うご!」

ガウリイ「見事に鳩尾に今、入ったな。」

リナ「そこまで怯えるか!」

ヴァル「し、死ぬかと思った。」

ガウリイ「いやーなかなか頑張ったな。」

リナ「その調子でどんどん強くなりなさい。」

ヴァル「無理だよ、俺。」

リナ「あんたなら出来る。」

ガウリイ「頑張って強くならないと、その内リナに食わるかもしれないし、頑張れよ。」

ヴァル「が、頑張る!俺、食べられたくない!」

リナ「だから、食べないって言ってるでしょ!!」



おわり

ちなみにその後。
変な事を吹き込んだフィリアはリナにこってり絞られたそうだ。
とりあえず、良い子にしないとリナ・インバースに食べられるが怖くてヴァルはこの後、良い子でたくましく成長したとか、しなかったとか。
 

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