捧げ物

□調べさせてね
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辺見は時折成神に対して殺意を抱いてしまう。
理由は、愛しているからなんて可愛いものじゃない。成神が凄くムカついて、ウザくて、神経逆なでして、プライドまで踏みにじってくる事があるから。
今だって、成神に殺意を持っている。
なぜって?
手首を後ろの回され、椅子に縛り付けられているから。

事の起こりというか始まりは、成神が読んだ漫画だったらしい。


「先輩、お医者さんごっこしたい。」

と、言って辺見に抱きつく成神。
とりあえず辺見は、抱きついてくる成神を無視して、

「他の奴とやれ。俺は今から、隣の県にある本屋に行くから忙しい。」

と、不機嫌そうな表情を繕いながら言った。
成神は、わざわざ隣の県にある本屋まで行こうとする辺見の凄まじい警戒心にため息をつく。
猫好きであるのを知られたくない辺見は、猫関連の本を買いに行く時、知り合いがいない遠くに買いに行く。
そこまでするなら、誰かに買って来てもらえばいいのにと、いつも成神は思っているが、自分の家のメイドや執事にさえ、その事を辺見は知られたくないらしい。

「じゃあ、俺が本買ってきてあげるから、しようよ〜。」

「しない。てか、いい加減に俺から離れろ。あと、体重をかけるな。首が痛い。」

「先輩の意地悪。ケチ、怒ってばかりだとM字ハゲになるよ。」

と、辺見を罵り出した成神。
辺見は、そんな成神を引き離して、手加減しながら、殴る、蹴るの暴行を加えて、さっさと本屋に行ってしまった。
成神は、こうなったら、何が何でも辺見でお医者さんごっこして苛め返してやる。
そう、心に誓った。


そして、次の日。放課後の部室で見事辺見を生け捕りにして、椅子に縛り付けた訳だ。
ちなみにこの日、成神が寺門と一部の部員に一服盛ったせいで、部活は休みになっていた。もちろん、邪魔者排除のためだ。まあ、さすがに鬼道とか佐久間は後が怖いから薬を盛れなかったが。

「この馬鹿。後で泣かす!絶対に泣かす!」

と、喚き散らす辺見。
しかし成神は全く気にしていない。

「先輩、そんなに暴れたら、診察できないじゃんか〜。」

と、白衣を着て聴診器を首からぶら下げた成神は言った。
辺見は、成神のコスプレを見て、殺意を募らせた。

「てめぇ、こんな事してただで済むと思うなよ。」

「先輩怖ーい。ま、そんな態度をとれるのも今のうちだけだけどね〜。」

辺見に顔を近づけながら、成神は言った。
どこまでも神経を逆なでされ、辺見は暴れるが、椅子ごと扱けそうになり、慌ててバランスを取る。

「楽しみだな。先輩の体、調べるの。」

「くっそ!寄るな触るな!!」

「大丈夫。痛くないから。」

そう言って成神は辺見の服を捲り上げ、胸に聴診器を当てる。

「先輩、心臓がドクドクしてる。」

「黙れ。死ねよ。うざいし。」

こんな状態で、胸が高鳴ってるなんて知られたくなかったのに、それを聞かれて、辺見は泣きたくなった。
とりあえず、鼓動が速いのを誤魔化そうと、暴れてみる。
すると成神は

「困った患者さんだな。診察嫌がるなんて、まるで子供だよ。」

と、言って笑った。
精神年齢が自分より低そうな奴にそんな風に言われた辺見は、ますます殺意を募らせる。
絶対にこの屈辱は倍にして返してやる。そう心に誓うが、なかなか難しいだろう。

「ほら、いい子にしたらご褒美上げるから、大人しくしてよ。」

「黙れ!」

ひたすら不愉快そうな表情で辺見は怒鳴った。
一瞬、成神は不愉快そうな表情をしたが、すぐに笑顔を取り戻して

「あー、分かった。先輩は欲求不満病だ。よっぽど溜まってるんだね。」

と、言った。
まあ、ある意味で正解と言えなくもないが、妙な病名を付けられた辺見はますます不機嫌になる。

「勝手に変な病気を作るな!!」

「大丈夫。俺がちゃんと治療してあげるから。」

そう言って辺見のズボンに手をかける成神。
身の危険を感じた辺見は暴れるが、やっぱりバランスを崩してこけそうになって、大人しくなってしまう。

「待て成神!好きなだけ付き合うから、そう言うのは止めろ!」

と、叫ぶが成神は聞く気はない。
辺見のズボンと下着を引きずり下ろし、何もしてないにもかかわらず、勃ってしまっている辺見のソレに手を伸ばした。

「先輩、そんなに溜まってたなら、言ってくれたらいくらでもしてあげたのに。」

「黙れ!黙れ!黙れ!」

辺見は情けなくなって、泣きたいのを我慢しながら、必死に怒鳴る。
こんな風にほとんど触れてないにもかかわらず、反応してしまっているなんて知られた恥ずかしさは、辺見的には寺門の説教4時間より堪える物がある。
もう、ひたすら怒鳴りつけて、顔を背けるしか出来ない。

「怒らないでよ。サービス溢れる治療をしてあげるんだから。」

と、言って成神は辺見のソレに舌を這わせる。
温かくて、ぬるりとした物が感じやすい部分を刺激して、思わず辺見は声を漏らしてしまう。

「先輩、どう?」

「知るか!お前なんか、大っ嫌いだ!」

恥ずかしくて、いっそ、死んだ方がマシだった。
欲求不満で、成神にほんの少し触れられただけで反応してしまうなんて、情けない。
しかも、それを隠す事さえ出来ない。それは、プライドの高い辺見にとっては、果てしないぐらい屈辱的だった。
だから、思わず成神が最も傷つくであろう言葉を言った。
すると成神は不機嫌そうな表情をして、

「・・・・・・治療するの、止めた。先輩が今の言葉取り消して謝ってくれるまで、診察するから。」

と、言った。
まさか、成神がそこまで機嫌を悪くするとは思ってなかった辺見は、やってしまったと思った。
しかし、ここで素直に謝る気にだけはなれない。悪いのは全面的に成神だと思っているからだ。

「先輩が感じちゃうところ、全部診察するから、覚悟してね。あ、そうだ、診察中にイったりしないようにしないとね。」

そう言って成神は、恵那のロッカーを勝手に物色して、何故か入っているコンドームを一つ勝手に取り出した。
辺見は成神の考える事が理解できなくて、じっと成神を見る。
成神は、手にしたコンドームを伸ばし、それを辺見の勃起したソレの根元にしっかりと巻きつけた。

「痛っ!外せ、この馬鹿。」

「ダメ〜。診察が終わるまでは、外してあげない。で、どの辺から診察して欲しい?言わないなら勝手にしちゃうからね。」

そう言って成神は再び聴診器で辺見の鼓動を聞く。
ただ、今度は空いている方の手で、胸の突起を弄りながらだ。
触れられるだけで鼓動の音は速くなる。
そして、鼓動が速くなると同時に、中心部は激しく熱を持ち、爆発しそうなほど大きくなる。
しかし、根元を縛られているせいで、その熱は外へと解放される事はない。

「うぅ。止めろ。」

「謝ったら止めてあげるよ。」

「誰が謝るか。」

痛くて、苦しいが、それでも成神に謝るのは自分のプライドが許さない。
辺見は、胸の突起を弄られる快感と、中心を押さえつける痛みに耐える。
こうなったら、成神が根を上げるか、飽きるのを待つ。絶対に待つ。
そう心に誓いながら、必死に耐える。

「ふ〜ん。でも、すぐに謝りたくなるよ。俺が結構上手なの、先輩が一番分かってるでしょ?」

その言葉に辺見は絶句する。
そうなのだ。成神は年下の分際で、辺見より上手だったりする。
今まで辺見は成神に触れられて、何度懇願したか分からない。
しかし、今日という今日は懇願しないと誓う。
いつまで自分の理性が持つか、物凄く不安だが、それでも、今日という今日は許せない。

「まずは首の辺りからかな?結構、感じる所だよね。」

と、言って成神はゆっくりと舌を使って、辺見の首筋を舐めて行く。
辺見は、声を上げないようにしながら、ギュッと目をつぶる。

「あれ〜。いつもみたいに声、聞かせてくれないの?」

「黙れ。」

「弱ったな〜。先輩が診察に応じてくれない〜。」

「どこら辺が診察なのか、俺には理解できねぇし。つうか、絶対に声なんか聞かせない。」

そう言って意地を張る辺見。
成神は笑顔を作ってから、軽く辺見にキスをした。
そして、ポケットからハンカチを取り出して、

「じゃあ、声を出したがらない先輩の手助けしてあげる。」

と、言ってハンカチで辺見の口を塞ぐ。
辺見は、文句を言いながらというか、文句を言おうと声を発するが、言葉にはならない。
懇願するのとか謝るのも許されない。それでも辺見は成神に抵抗しようと、暴れてみるが、やっぱり椅子ごとこけそうになるので、途中で断念してしまう。

「首の次は何処にしようかな〜。やっぱり、上から順にした方がいいのかな?」

「んんん!」

抗議しようとする辺見だが、口を塞がれていては何も言えない。
そんな辺見を楽しそうに見つめる成神の目が、かなり生き生きとしていた。
そして、しばらく辺見を観察してから成神は再び首の辺りを責め始める。
首を舐められると、ゾクっとした寒気にも似た何かが体中に走る。
不可思議な感覚に身体を仰け反らせると、首の部分を軽く甘噛みされ、ますます後ろに倒れそうになるが、成神は背もたれの辺りを掴み、辺見がこけない様に支える。

「首は感度Aっと。あ、終わった所には、マーク付けないとね。」

そう言って成神は辺見の首筋にキスマークをいくつも付けて行く。
首の目立つ所にキスマークを付けられた辺見は、身体が自由になったら成神の身体にも、同じように目立つ所に付けてやる!そう心の中で誓った。

「じゃあ、次は、胸って言いたい所だけど、先に腰回りを調べとこうね。」

と、言って成神は辺見の横腹の辺りをゆっくりと撫で回しながら、腰の後ろへと手を回して行く。

「んっぅ!んんぅ。」

感じるような場所を触れられ、辺見は声を上げる。
すると成神は、辺見が感じるような場所を集中的に撫でまわす。

「先輩、目が潤んで来てるよ。可愛いね〜。ここも感度Aだね〜。」

そう言って成神は再びキスマークを付けて行く。
好き放題され、辺見は本当に悔し涙があふれて来た。
成神の事は好きだが、プライドの高い辺見にとって年下に好き放題されるのは、泣くほど悔しい事だった。

「やっぱり痛いの?でも、先輩が大嫌いなんて酷いこと言うのがいけないんだよ。」

と、辺見の悔し涙を、痛みによるものだと勘違いした成神は言った。
辺見の事が好きで仕方ない成神にとって、辺見の口から大嫌いと言われる事は、死を宣告されるよりも悲しい事だった。
だから、泣いてる辺見を見ると余計に虐めたくなる。自分が傷ついた分だけ辺見を傷つけたくて、求めて貰えなかった分を、倍以上にして求めたかった。

「先輩、俺がしたかったのは、こんなんじゃなかったんだよ。なのに先輩が酷いこと言うから、こんな風にしてるんだからね。」

「んぅんん、んんんふんん!」

ならどうしたかったんだよ。辺見としてはそんなツッコミを入れたかった。
しかし、口を塞がれている状態では、その望みは叶う事はなかった。
ツッコミを入れれない苦痛の方が一瞬大きかった気がする辺見。
そんな辺見の何か物凄く言いたげな視線を無視して成神は、辺見の胸の突起を甘噛みしながら、片手でもう一方の突起を弄る。

「ここ、弄ると先輩ってさ、凄い、気持よさげな表情してくれるよね。今日はしてくれないの?」

そう言いながら成神は、辺見の胸の突起を指で捏ねまわした。
我慢できないほどの甘い刺激が体中に走り、辺見は身体ますます熱くなるのを感じた。
目はますます潤み、頬が朱色に染まっていく。

「あ、やっと気持ちよさそうな表情になってくれた。・・・・・・。ねえ、先輩。謝ってくれる気になった?」

そう言って、辺見の口を塞いでいたハンカチを取る成神。
すると辺見は、

「この、大馬鹿が!誰が、謝るか!!!」

と、威勢のいい声で怒鳴った。
成神は、それを聞いて不思議と笑いながら、

「やっぱり、先輩はそうでないとね。俺、先輩の、そう言う意地っ張りで根性ある性格と、上から目線、凄く好きだよ。」

と、言って軽い口づけをした。
辺見は、額に青筋立てながらも、引きつった表情をして、奇妙な生物と言えなくもない好みを持った成神を見た。

「お前、奇人って言われるだろ。」

「言われないよ。ね、それよりも、お医者さんごっこ、続きしたいな。」

「はいはい。もういい、勝手にしてくれ。」

自棄になった辺見は、ため息を一つ、ついてから、呆れかえった表情で言った。
成神は、やっと辺見が色々と諦めてくれたので、嬉しそうな表情をして、中心の熱を塞き止めていた物と、手を縛っていたロープを外した。
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