捧げ物

□猫耳は好きですか?
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久々の休日。
辺見はストレスを解消したくて、家で猫の写真集をひたすら眺めて、にやけていた。
実に平和な一日。
寺門の阿呆の怒鳴り声は聞こえないし、バカップル達(鬼道と佐久間、恵那と大楠)の熱愛っぷりを見なくても済む。
まさに、理想的な日だと辺見は思った。
後はこれで、膝の上に猫でもいれば言う事はないのだが、今日は全員、健康診断&毛の手入れをしに行っていていない。
まあ、仕方ないよなと言う事で、そこは妥協している。


そうやって、平和な一日を過ごしていると、急に部屋のドアが開いたので、辺見は慌てて写真集を隠した。
そして、どこの馬鹿が平和の一時を邪魔したんだと殺意の籠った眼差しをドアの方に向けると、成神がいた。
待て、何でお前がそこに居るんだと辺見がツッコミを入れる前に、成神は辺見に飛びついて来た。
いつもの2倍近い勢いで飛び付かれたので、もう少しで後ろ向きにこけるところだったが、何とか持ち堪える辺見。

「成神、いきなりなりなん何だ?」

「何って、休日だから先輩に会いたくてわざわざ来たんだよ。」

「・・・・・・。」

辺見は、追い返そうか、はたまたこのまま放置しようか考える。
せっかくの平日だから、のんびりとしたい気はする。しかし、成神と過ごすのも悪くない。
どうしたものかと考える辺見。
とりあえず、ウザかったら追い返して、そうでもなかったら適当にかまってやることにした。

「まあ、少しだけなら、居てもいいが、ウザかったら即、追い出すからな。」

と、辺見が言ったので成神は

「はーい。」

と、元気良く返事をする。
とりあえず辺見は、隠した写真集を取り出して、ソファーに腰掛ける。
そして、再び写真集を眺める。
成神は、せっかく遊びに来たのにその態度と扱いは酷くない?そんな事を思ったが、辺見だし、仕方ないかなと諦め、辺見の横に座って、五条に泣き言メールをひたすら送り続ける。
五条に泣き言メールを送り続けること30分。
30秒単位でのメールにキレた五条が返事を返してきた。
内容は、猫耳でも着けて、かまって貰え、だった。
成神は、猫耳なんぞ持ち歩くかボケとツッコミのメールを入れてみると、隣の部屋に行ってみろと返って来たので、こっそりと隣の部屋に行ってみる。
するとそこには大量の猫関連グッズが置いてあった。
写真集にぬいぐるみ、ポスターとか雑誌とかキーホルダーとか、本当に大量な猫グッズに成神は唖然となる。
でもって、部屋の隅の方にひっそりと猫耳&尻尾コレクションが置いてあった。
何で五条がこの猫耳&尻尾コレクションの存在を知っていたのかは分からないが、とりあえず、三毛猫セットを着けてみる成神。
でもって、辺見のいる部屋に戻った。
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