捧げ物
□ダメなおとぎ話 赤ずきん編
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いつもと変わらない平和(?)な帝国。
そんな平和なある日に
「映画を撮ろう。」
と、五条が突飛者もない事を言い出した。
無論、その場に居た全員が石化して、何をやらかす気だよと言った思いを抱いた。
しかし、それを口に出せる勇気ある奴はいない。
てか、五条に向って何かを言うのは、勇気がいり過ぎる。
しかし、誰かが何かを言わなければ事態は進展しない。
と言う訳で、気の毒な捨て駒、じゃなかった、勇気ある恵那が
「何故?」
と、聞いた。
で、聞いたすぐ後に大野の後ろに隠れる。
「理由は、暇だからだ。と言う訳で、撮るぞ。」
と、言って五条は訳の分からん装置を取り出して、スイッチを入れた。
その瞬間に
佐久間
鬼道
源王
寺門
土門
成神
が装置の中に吸い込まれた。
無論、吸い込まれなかった奴の中で悲鳴とか驚愕の叫びとかが上がった。
とりあえず、機械の横についている説明書に気が付いてしまった咲山が説明を読み上げる。
自動ドラマ撮影機。
1 この機械に、撮りたい物の源本、小説、漫画、などを入れスイッチを入れる。
2 スイッチが入ると半径800メートル以内の人間の中から個性の強い順に吸い込まれる。
3 吸い込まれた人間は勝手に約を決められ、そのキャラになり切ってしまう。
4 自動で物語は進み、録画される。
5 完全にアドリブの世界なので、セリフは入れた物と違う場合がある。
6 また、取り込まれた人間の個性と本能が機械の容量を上回る場合、物語は源本とは大きく違う物になる。
7 肉体ごと吸い込まれるので、人が死ぬような物は入れないようにした方がいい。
「五条、とりあえず聞くが、何をセットした?」
と、引きつった表情で辺見が聞いた。
すると五条は
「赤ずきん。」
と、言った。
その場の空気が確かに凍りついた。しかし、誰も、何も言えない。
ただ、大楠が
「中で、何が起きてるのか気になるな。」
と、言ったので五条が装置を動かし立体映像が映るようにする。
すると、音声付で赤ずきんが上映され始める。
とりあえず、それを見守る個性が弱かった運のいい奴ら。