捧げ物

□線香花火と願い事
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風丸がずっと、ずっと小さかった頃。

『線香花火はね、最後まで、火の玉を落とさずにやりきるとね、願い事が叶うのよ。』

と、線香花火をしている時に母が言っていたのを覚えている。
だから、夏の終わりに線香花火をすると必ず願う事がある。

『来年も円堂と一緒に居られますように。』

それは毎年願うささやかな願い。
ただ、一緒に居たくて、傍にいられればいい。
この先もずっと、ずっと、一緒に居たい。
そんなささやかな願いを風丸はいつだって抱いている。
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