イナズマイレブン

□イナズマイレブン 春奈は弟
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春、なんか眠たくなって、妙にやる気の入らない季節。
そんな春に文化祭をやってみよう。てか、文化祭は楽しいから春、春、秋、冬全部でやろう。
と、雷門の生徒会で欠席している会長を覗き、全員の意見が一致してしまった。
こうして、雷門では春の文化祭が開かれた。

でもって、サッカー部の部室。

「売り上げを伸ばすなら、間違いなくメイド喫茶です!」

と、熱く語るのはメガネ君だ。
彼は、雷門でも特にレベルの高いオタクで、サッカー部の部員でもある。
一応、FWのポジションなのだが、基本的にベンチだ。
で、そんなメガネは文科系イベントになると妙に力を発揮する。

「メイド喫茶って、女子が2人しかいないんだけど?」

と、困った表情で半田は言った。
なんだかんだで半田はサッカー部のツッコミ要因の一人だ。

「あの〜、私今回はクラス演劇があるから、こっちでは・・・・・・。」

と、申し訳なさそうに手を挙げながら秋は言った。
すると、

「私も無理よ。生徒会での仕事があるもの。」

と、はっきりと宣言する。

これで、メガネの野望は潰えるのか?そう考えるメイド服を期待していた男たち。
しかし、メガネはこの程度で諦めるような奴ではない。
なぜか、土門とアイコンタクトを取り

「大丈夫だって。内には帝国のミスコンで優勝した経験のある佐久間がいるんだ。」

と、土門が言った。

全員の視線が佐久間に向く。
メガネにとって女子が全員欠席する事など大した障害ではない。
もともとメイド喫茶を提案したのは土門に買収され、佐久間にメイド服を着せるためだ。

「絶対に着ないからな!」

と、必死の思いで叫ぶ佐久間。

毎度毎度どうして自分が被害者にならなければいけないんだと言いたい。

「鬼道さんも佐久間のメイド服みたいですよね?」

と、土門が退屈そうにしている鬼道を見ながら言った。
いきなり話を振られた鬼道はつい、

「まあ、見たい、かな。」

と、同意してしまった。
こうなると、鬼道が絶対の佐久間は従わざる得なくなる。
相変わらずやることがえげつない土門。

「それでも、一人しかいないメイド喫茶はどうかと思うぞ。」

と、半田が色々と打ち砕かれている佐久間に救いの手を差し伸べようとする。
というか、ここでなんとかメガネと土門の計画を崩さないと後で、大変な事になるのは間違いない。

「なら、あと何人かがメイドをすればいいんだよね。」

と、笑顔で人を地獄に落とすような事を言ったのはマックスだ。
さり気にマックスは半田にメイドをやらせたいと考えている。

「誰がやるんだよ。」

と、嫌そうな表情で半田が言った。
マックスが出て来たとなると被害が必ずと言っていいほどに自分に向かってくるのだ。

「もちろん、風丸に決まってるだろ。」

と、マックスが言う前に行ったのは豪炎寺だ。
豪炎寺は風丸と仲が悪い。理由は円堂を取り合っているからという、私情全開の理由だ。
その為、事あるごとに風丸に嫌がらせをするのだ。

「俺かよ。なら、半田もやろうぜ。」

と、悪魔のような笑顔で風丸は言った。
どう足掻いてもメイド喫茶は成立すると判断した風丸は、半田を巻き込む道を選んだ。
この手の奴で巻き込めるのは、半田と佐久間、後は春奈ぐらいだろうが、春奈は鬼道に殺されかねないので言わない。

「嫌だ!メイド服なんか着たくない!」

ま、正当と言うかまっとうな人の叫びだが、この部活では通用しない。
なにせ、変なのしかいないのだ。

「なら、メイド喫茶で決まり。」

と、半田の叫びを無視しながら土門が言った。

「なら、僕もメイド服着るから、半田先輩も諦めましょう。」

と、言ったのは春奈だ。
地味に土門とメガネに買収されている春奈。
メイド服を春奈も着る代わりにメガネが、渾身の思いを込めて作った10分の1スケールのセーラー服佐久間フィギアをくれると言うのだ。
これは、是が非でも欲しい一品である。
なにせ、一度見せて貰ったが実にに素晴らしい一品なのだ。

「し、仕方ないな。あ、ならマックスお前もメイド服着ろ。」

と、春奈に甘い半田は妥協してしまった。
計算通りとメガネと土門は心の中でほくそ笑む。

「いいけど?」

と、軽く承諾するマックス。
マックスとしては半田のメイド服が見られれば満足なので後はどうでもいい。
別に女装しても大した苦痛は感じないし。

「どうせなら、キャプテンも着たらどうでやんス?」

と、言ったのは栗松だ。
すると円堂は栗松を殴りながら

「似合わないからな。」

と、言った。
とりあえず、風丸と豪炎寺的には着て欲しいと思ったが、円堂のメイド服姿を人前に晒すのは嫌なので何も言わなかった。
どうせ、見たいと思ったら二人で結託して円堂を嵌めればいいだけの話なのだ。

「一之瀬も着るか?」

と、話が大分まとまってご機嫌な土門が言った。
すると一之瀬はさわやかな殺意を土門に向けながら

「止めとくよ。」

と、言った。
地味に冷汗を土門はかく。
正直、一之瀬は怒らせると怖いのだ。普段は割と心が広いが、本気で怒ると部活内でも鬼道とタメを張るぐらい危険だ。
とりあえず、メイド服を着るのは

佐久間
風丸
半田
春奈
マックス

の5人で決まった。
で、残りは執事服で行動する事になったらしい。
こうして、雷門サッカー部波乱の春の文化祭が幕を開けた。
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