イナズマイレブン

□先輩は俺のもの
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「辺見先輩、勉強教えてくれ。」

数学の単元別テストが近いある日、成神は寺門に嫌がらせをした後、辺見に言った。
一瞬、辺見が何を言ってるんだといった表情になった。

「来週の火曜日、数学のテストなんだけど、分からないんだよ。だから、辺見先輩、勉強教えてくれよ。」

と、さらに成神は言葉を続けた。
すると辺見はため息をつきながら

「なんで俺なんだよ。他にもいっぱいいるだろうが。」

と、言った。
どうせ勉強見て貰うなら、学年トップの鬼道か、2位の佐久間に教えて貰った方がよっぽどいいはずだ。
それなのになぜ、比較的平凡な自分の所に来るのかが分からない。

「だって、鬼道先輩は佐久間先輩しか目に入ってないから、教えて貰えないじゃん。」

と、成神は言った。
確かに、そうだなと納得した。現在鬼道は重度の佐久間中毒だ。
他の存在なの視界に入るはずがない。あと、声をかけても聞こえないだろう。
それぐらい重症なのだ。

「仕方ないな。なら、今週の土曜日に教えてやるから、道具を持って俺の家まで来い。」

と、辺見。
こう言う時辺見は妙に面倒みが良い。そんな所も成神は好きだ。
ちょっと甘えたりできる。

一応、追加しておくが成神は1年の中でもトップクラスで勉強が出来る。
理由は、授業中のヘッドホンの使用を認めさせる最低条件がテストで5位以内に入る事だから。
ちなみに、5位以内に入り続けている。
だから、別に教えてもらう必要なんぞ無いのだが、最近辺見と二人だけになれるチャンスが異常に少ない。
それに、態度の大きい辺見の事だ。教えて欲しいと言ったら絶対に家まで来いという。ぜひとも辺見の家に行きたい成神には、一石二鳥だ。

「辺見先輩、大好き!」

「あー、はいはい。分かったから抱きつくなって。」

と、飛びついて来た成神に辺見はため息をつきながら言った。
でも、わざわざ振り解かないのが成神にはたまらなく嬉しい。
このまま押し倒したくなるが、部活中にそんな事すれば鬼道に殴られるのでやらない。
でも、成神としては、部活が終わった後、佐久間を部室で押し倒している鬼道に怒る資格はない気がする。
怖くて言った事はないが。

「じゃあ、何時に行けばいい?朝早くからでも俺はオーケーだよ。」

上機嫌な成神。

「午後1時半集合。」

と、適当な時間を言う。
すると、成神は嬉しそうにうなずいた。
辺見はそんなに成神は勉強が出来なかったかとか的外れな事を考えつつも、とりあえず、練習に戻る。
今日は、佐久間がシュート練習の件で寺門と大もめしたので、一人で黙々とドリブルの練習をする事になった。
いい加減、皇帝ペンギン2号を認めればいいと思う。そうすれば、くだらない口論をする必要は減る。
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