捧げ物

□猫のような恋人
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「そうだな、まずは、俺の目の前でして見せて貰おうか。成神がどうやって自分でしてるのか見たい。」

それは、奉仕じゃないよな?でもって、無茶苦茶恥ずかしい行為だ。
辺見の前でわざわざして見せるとか、虐めだろ。
でも、断ったりするのは無理だ。断れば辺見は容赦なくお仕置きに路線を変える。

「恥ずかし過ぎるし・・・・・・。」

「そう言うな。ほら、さっさとして見せろ。」

そう言われ、成神は自分の中心に在るモノに触れ、ゆっくりと撫で上げていく。
見られていると思うと恥ずかしくて、思うように力が入らないし、やり難い。
それでも、少しずつ自分の昂りが増して行く。
自分を慰める行為は恥ずかしいが、それでもだいぶ反応するようになって来た。
先端からは先走りが漏れ始めていく。
しばらくは黙って見ていた辺見だが

「そっちはもういい。今度はこれ塗りながら、中を広げろ。」

と、言って辺見は、成神の部屋に置いてある潤滑剤として使用しているハンドクリームを成神に渡す。
どこまで俺を辱める気なんだろう・・・・・・。泣きそうな気持になりながらも成神は素直に従う。
指にクリームを塗り、自分の秘めた場所にある孔に指を押し付け、少しずつクリームを塗りながら指を入れていく。
狭くて入れ難い孔を少しずつ押し広げていく。

「指1本じゃ足りないだろ?」

眺める事に飽きてきた辺見はそう言って、自分の指にクリームを塗り、成神の中に指を押し込む。

「ぁっ!先輩、だめぇ。やぁだ!」

中を押し広げながら入ってくる辺見の指と、なかなか奥へ入れる気になれず、途中で止まってしまっている指。
まったく別物に近い存在が二つも身体の中に入っている。辺見の中心にある異物に比べたら少ない質量だが、それでも十分今の成神にはきつい量だ。

「どうだ?気持ちいいか?」

内壁をゆっくりと擦りながら、辺見は成神に聞いた。

「イ、イ……。」

成神は頷きながら、掠れた声で言った。
止めてなんて言えば、辺見は余計に中を掻き乱してくる。
なら、素直に良いと言った方が楽だ。天邪鬼な辺見は、別の行為に切り替えてくる。

「なら、次は俺のを舐めて、入れれるようにしろよ。」

そう言って辺見は成神の中に入れていた指を抜いた。
ああ、やっぱり辺見は天邪鬼だな。成神は思った。

「う、ん。」

自分で入れていた方の指を抜くと、喪失感が沸いてくるが、中をかき乱したり、かき乱されるよりはマシだった。
成神は辺見のズボンと下着を下ろし、雄々しい辺見のソレを舌で舐めていく。
丁寧に舐めまわしているソレを、入れられると考えるだけでゾッとする。

「いい子だ。ほら、しっかりと奉仕しろよ。」

そう言いながら辺見は成神の猫耳を甘噛みする。
電撃が走ったような感覚が成神を襲う。
動きが止まってしまい、

「コラ、誰が止めてもいいなんて言った?」

と、辺見に叱責される。
そして、尻尾を握られ、指で絡めたりして弄び出す。
耳を噛まれた時とは比べ物にならないような痺れるような感覚に、成神は手が止まってしまう。

「先輩、尻尾、触らな、いで。」

「断る。俺、猫の尻尾って好きなんだよ。好きなだけ触らせろ。」

そう言って辺見は成神の尻尾を強く握る。
触れられるだけで体が痺れて、動けなくなってしまう。
すると、辺見が余計に強く尻尾を握りながら、

「しょうがない奴だ。まともに奉仕出来ないなんて。とりあえず、口の中に入れておいて貰おうか。」

と、言って成神の口の中に自分のソレを押し込む。
急に口の奥にまで辺見のモノが押し込まれ、嗚咽を漏らすが、辺見は容赦がない。
息苦しさで苦しくなる。

「ああ、いい感じだ。ん?やっぱりさっきのじゃ、慣らしたりないんじゃないのか?まだ、いつもみたいな感じた顔になってないぞ。」

そう言って辺見は一度成神の尻尾から手を放し、クリームを手に取る。
そして、指にたっぷりと付けてから、いきなり3本も押し込んだ。
空いてる片手はやはり尻尾を握る。

「んん!っ、ふぇ、んんんん。」

口に辺見のを含んでいるせいで、痛いとか、止めてとか、苦しいと言えない。
まあ、たとえ言ったとしても辺見が止める訳がない。
無理矢理指を押し込まれたせいで、痛い。
それでも、少しずつ辺見に中をかき乱され、内壁を擦られて行くうちに、辺見のしている行為を快感と感じるようになって行く。

「だいぶ、いい顔になってきたな。でも、俺への奉仕が終わるまで、イけると思うなよ。」

どんどん激しくなる指の動きに、尻尾を強く握られ痺れさせられる。
この状態で奉仕を求めてくる辺見は酷い、と成神は思った。
尻尾を握られて身体が痺れて動けないのに、それでも奉仕を求められる。
これではお仕置きと大差ない気がする。

「とは言っても、お前の口の中も結構気持ちいからな。そろそろヤバい。」

成神は神経が麻痺している状態に近いから気づいていないが、成神の口の中で辺見のソレは、先走りが溢れていた。

「成神、入れてもいいか?と言うか、入れさせろ。」

成神の口に押し込んでいた自身の昂りを引き抜く。
そして、成神の中をかき乱していた指を抜き、尻尾も開放してやる。
成神は苦々しい味が口に広がるのを感じて、顔を顰めながら、大きく呼吸をした。

「また、選べ。恥ずかしいぐらい足を開けるのと、俺の上に乗るのどっちがいい?」

また、ろくでもない2択を迫られた。
選んだところで両方させれるのは目に見えている。
それでも、選ばないともっと酷い目にあう事は間違いない。
どっちを先にしたら楽だろうな。そんな事を考え、成神は四つん這いにさせられていた体を起こし、辺見を押し倒した。

「楽しませてくれよ。」

と、言って辺見が笑った。
成神は、なんでこんな意地悪なのを好きになったんだろう?
自分自身に問いただしてみるが、答えは決まっている。
辺見がしてくるセックス以外全てに惚れたのだ。
その嫌味な性格も、サッカーに見せる情熱も、猫好きと言うまさかのギャップも、何もかもが好きだ。
そうでなければ、こんなにも屈辱的で辛い行為に従えるかって感じだ。

「成神、早くしろよ。俺は我慢するのが嫌いなんだ。」

「分かってる。」

と、言って成神は広げた自身の窄まりに辺見の昂りを押し当て、ゆっくりと腰を下ろして行く。
辺見に広げられた孔は、あっさりと辺見のソレを飲み込む。

「良い子だ。」

「先、輩・・・・・・。怖い。」

身体をこんな風に重ね合わせるのは嫌いなのに、気持ち良いと感じてしまう。
それが怖くて、堪らない。身体が変わっていくような気がして、怖くて、でも、拒むことも逃げる事も出来ない。

「怖い?感じてる自分が?」

成神が身体を重ねるのを嫌っているのも、重ねる度に怖がっているのも知っている。
それでも、欲しいと望んでしまう。
愛しくて、愛しくて仕方ないから、望んでいるのだ。それを、悪いとは思わない。

「うん。」

「いい加減に慣れろよ。酷い事したくなるだろ。」

そう言って辺見はため息をつく。
その言葉を聞いて成神は少し、安心する。
辺見は天邪鬼だから、思っているのと別の言葉を言う。
辺見の酷くしたくなるは、酷くできない。出来るだけ優しくはしてやる。そんな意味なのだ。
成神が身体を重ねるのを今以上に嫌って欲しくないから、大切だから、優しくしたいのに、言葉だけはどうしても、優しくならない。
それでも成神は自分の言葉は大抵が逆だと分かってくれる。そして、どれが珍しく素直に言った言葉なのかも分かってくれる。
だから、言葉も行動も天邪鬼なままだった。

「ごめん、ね、先輩。」

「別に・・・・・・。お前が素直に従ってくれてるだけで十分だし。」

お互いが求め合えたらと思うが、負担のかかる成神にそれを望むだけ無駄だろう。
だから、嫌々でも素直にしたがってくれてくれるだけマシだと思うことにしている。
いつか、成神は自分との行為に慣れてくれるだろうか?それが分からないから、出来るだけ優しくしないと、この関係は壊れてしまう気がしてならない。
どれだけ不安な気持ちで体を重ねればいいのだろう?身体を重ねなければ少しは長続きするのだろうか?
辺見には分からない。
でもって、身体を重ねないなんぞ理性と忍耐のいる事は絶対にできそうにない。

「ほら、謝る暇があったら俺の事を気持ちよくさせろよ。」

「う、ん。」

小さく成神は頷いた。
すると辺見は上半身を起こす。
急に辺見が起き上がったせいで、穿つ角度が変わり、さらに辺見との繋がりが深くなる。

「せ、ん輩。深い・・・・・・。そん、なに、入って、こな、いで・・・・・・。」

辺見の首に手をまわし、身体をさらに密着させながら成神は声を絞り出した。
繋がりが深くなるほど怖いはずなのに、身体は悦びを感じてしまう。

「無理な相談だ。ほら、何時までじっとしている気だ?今日のお前は俺に奉仕する立場だろ?それとも、お前が4回ぐらいイくまで、俺に激しく突き上げられ続けたいか?」

その言葉が本気なのか、冗談なのか分からないが、言われたとおりにするのが賢明な判断だと成神は分かっている。
怖くて仕方ないのを我慢して成神はゆっくりと腰を揺り動かして行く。
動かすと内壁が擦れ、ますます繋がりが深くなって行く。
怖いはずなのに気持ち良くて、何も考えられなくなりそうになる。

「いい子だ。ほら、もっと動けよ。こんなんじゃ、俺が楽しめないだろ。」

そう言って辺見はまた、成神の尻尾を強く握る。
尻尾を握られ、身体が痺れてしまう。
身体が思ったように動いてくれない。辺見に言われたとおりに身体が動かせなくなる。
動けなくて酷い事をされるのは嫌だが、成神の中にいつまでも欲望を吐き出せず、苦しげな表情をしている辺見を見るのが辛い。

「せん、ぱ、ぃ。お願い、尻尾・・・・・・。先輩、の事、気持ち、出来、ない。」

「やっぱ、このまま動くな。繋がり、解きたくない。」

そう言って辺見は成神をギュッと抱きしめながら、尻尾をさらに強く握る。
尻尾を握られるのは痛くない。そして、握られている間は何かされても痛いと感じない。
それでも、身体は熱くて、息をするのが苦しい。

「解か・・・・・・なく、て、イイか、ら。先輩、が、出した、あとも、解かないで、いいから、お願い・・・・・・。」

声を出すのも辛い。でも、何も言わなかったらこの中途半端な状態がずっと、続くかもしれない。
それが嫌で成神は辺見を出来るだけ煽るような事を言った。

「嫌、だ。ずっと、このままでいい。大人しく俺の言われたとおりにしてろ。」

このままいっそ一つになれたらいいのに。
繋がりを解きたくなくて、離したくない。
自分の欲望を出せないのは苦しいけれど、成神とこうして一つになっている間しか心が本当に満たされない。

「や、だ。も、イき、たいよ。」

「辛いのか?」

「う、ん。」

「ごめん。イきたいよな。今楽にしてやる。」

と、言って辺見は尻尾を放してやる。
そして、成神の腰を掴み、上下に動かし始めた。
本当はイきたくなんてなかった。それでも、成神が辛そうな表情でずっと、苦しそうに息をしているのを見ると悲しいのだ。
激しい抜き差しに成神は嬌声を上げ、辺見の肩に爪を立てる。

「成神、俺に爪立ててタダで済むと思うなよ。」

そう言って辺見は激しく成神を突き上げる。
激しく求められる度に爪を立て、爪を立てられるたびに激しく成神を求める。
そんな事を繰り返して行く。

「もぉ、ダメぇ、アぁーー。・・・・・・・・・・・・。先輩。」

身体の中に抑え込まれていた熱を外へ吐き出し、身体の奥に辺見の熱が注ぎ込まれるのを感じながら成神はぐったりと辺見に倒れ込む。
辺見は倒れ込んだ成神の背中を撫でてやりながら、

「よく出来たな。可愛かったぜ。俺の愛しい健也。」

いつものように小声で呟いた。
その言葉だけはいつだって本物だから、その言葉だけで成神は、苦しいのも怖かった事も忘れられる。
普段言わない言葉を言って貰えるから、もしかしたら逃げられないのかもしれないと思うぐらい辺見の言葉に胸が熱くなる。

「先輩、俺の事愛してる?」

「当たり前だろ。こんなにも可愛いんだから。・・・・・・健也、愛してる。だから、俺から逃げるなよ。」

「うん。逃げない。だから、愛してよ。」

こんな時じゃないと辺見は優しい言葉をくれないから、だから、優しい言葉を貰える時にたくさん聞きたくて、何度も同じようなことを聞いてしまう。
そして、優しい言葉を聞きながら、聞かしながら、また、愛し合うのだ。
でも、どれだけ言葉が優しくても、辺見の性格が悪いのは変わらない。愛し合うついでに成神の事は辱める。
それでも、辺見の言葉が心の中を満たしてくれるから、成神は素直に受け入れる。
この日もそれは変わらなくて、それでも辺見に愛してると言われるだけで幸せだから、成神は辺見の言う事に素直に従い続けた。
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