捧げ物

□あなたと俺の鼓動は?
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「キスだけじゃ、足りないだろ?」

一度唇を離し、鬼道は聞いた。
佐久間は、さらに鼓動を速くさせながら、小さく頷いてしまう。

「なら、この心電図が壊れるまで激しく、速く心臓を鼓動させよう。」

と、言って鬼道は佐久間の身体を撫でるようにして、触れて行く。
強い刺激にはならない触れ方は、この後、どうされるんだろう?どうなるんだろう?そう考えてしまい、恥ずかしくなる。

「佐久間、ほんの少し触れただけなのに、鼓動、速くなってる。」

と、耳元で囁いた鬼道。
佐久間は、恥ずかしくなり、余計に心臓を高鳴らせる。
そして、あっさりと鬼道に心臓を高鳴らされてしまい、羞恥心に顔を赤くした。

「やっぱり、外してくださいよ。」

「これが壊れたら外してやるよ。」

少し、佐久間を苛める鬼道。
佐久間の心臓の音をはっきりと聞きながら、佐久間に触れれるというのは実に素晴らしいと思っている。
だから、この機械が壊れるまでは、その音を聞いていたい。
どこまで佐久間の心音は激しくなるのだろう?
考えるだけで、自分の心臓も高鳴ってしまう。

「ほら、どこ触れて欲しい?こことか好きなんじゃないのか?」

と、言って鬼道は佐久間の胸の突起を軽く摘まむ。
急に与えられた甘い刺激に佐久間は

「あぁん。」

思わず声を上げる。
すると、鬼道はその突起を指に挟み、捏ねて行く。
佐久間は手で口を塞ぎ、その刺激に耐える。

「なんだ、声は聞かせてくれないのか?なら、声を我慢できないぐらい気持ち良くしてやらないとな。」

と、言って鬼道は佐久間の胸の突起を甘噛みした。
それから、舌で突起を押し潰して行き、少しずつ硬くなっていく感触を楽しむ。

「鬼、道さん、ぁあ。止め、んぁぁ。」

「我慢強いな。心臓は爆発しそうなのに。」

そう言ってから鬼道は佐久間の身体を弄るのを止め、佐久間の鼓動に聞き入った。
身体が熱くなり始めたのに触れるを止められて、佐久間は余計に鬼道が欲しくなっていく。

「どうした?言いたい事は口に出せ。そんなもの欲しそうな目で見つめられるだけじゃ分からない。」

と、鬼道に言われ、佐久間は恥ずかしくなる。
言うのは恥ずかしいが、そんな目で鬼道を見てたと言われたのが何よりも恥ずかしかった。

「俺の、に、触って。」

「どこかはっきり言え。分からない。この辺りか?」

と、言って鬼道は、佐久間を焦らすように胸の突起をはじく。
その感覚は甘くて痺れそうだが、佐久間が望んでいる快感ではなかった。

「そこ、じゃない、です。」

と、佐久間が言ったので鬼道は、佐久間の中心をズボンの上から握る。
急に与えられた刺激に佐久間は身体を仰け反らせた。

「ここか?」

「は、い。」

そんな所を触って欲しいと思った自分が恥ずかしくて、でも、触れて欲しくて、佐久間は首を縦に振ってしまった。
鬼道は佐久間が頷くと、握ったソノ部分を揉んでいく。
鬼道の与えてくる刺激は気持ちいいが、布越しでは物足りない。

「足り、ま・・・・・・せん。」

「そうだな。さっきから、鼓動が速くなってないな。どうしたらお前の鼓動は速くなる?」

鬼道の問いに、これ以上速くなったら、俺、死んじゃいますよ。そんな事を佐久間は思った。
さっきから聞こえる自分の鼓動の音が、怖いぐらい速い。
全部、鬼道のせいだった。鼓動が速いのも、身体が熱いのも、全部鬼道に溺れてしまったせいだ。

「恥ずかしかったら、速くなるか?俺を感じてるお前の鼓動、もっと、速くしたい。」

「ぃヤ、これ、以上・・・・・・したら、俺、壊れそぉ・・・・・・。」

「大丈夫、壊れる時は、俺が先に壊れる。ほら、俺の鼓動、お前に触れただけでこんなに速くなってる。」

と、言って鬼道は佐久間の手を取り、自分の胸に押し当てる。
鬼道の心臓は佐久間以上に速く動いていた。激しくて、力強いけど、凄く速いリズム。
ただ佐久間といるだけで速くなる鼓動は、触れ合っていると、壊れそうなほど速くなってしまう。

「な?だから、もっと速くなっても大丈夫だろ?」

「は、い。」

鬼道に言われ、佐久間は頷いてしまう。
怖いほど激しい鼓動。でもそれは鬼道も同じだった。
それだけで、また、佐久間の音は速くなる。
そして、その音に呼応して鬼道の鼓動も速くなっていく。

「鬼、道さん、これ、鬼、どおさんに、付けて、みた、いで、す。」

「そうだな。お前が一度イったら付け替えてやろう。ああ、イくごとに交代してみようか。」

それって、何度もするって事ですよね?
そう分かっているのに、不思議と嫌じゃなかった。
だって、鬼道の鼓動をはっきりと聞きながら、抱かれるなら悪くないと思うから。
いつも聞けるのは、抱きついている時か、傍で寝ている時だけだから、自分とこれでもかって位触れ合っている時は、どんな音をしているのか聞きたい。

「鬼道、さん。なら、早く、触ってくだ、さい。俺、凄く、聞きたい。あなたの鼓動。」

そう言って佐久間は鬼道の唇を奪い、鬼道を煽る。
佐久間に求められるだけで鬼道は嬉しくて、でも、それと同時に怖くなる。
求められれば求められるほど、歯止めは狂い、佐久間を壊すほど求めてしまうから。
いつか、自分が佐久間を壊すのではないかと考えると怖い。
それでも、恋しくて、求めずにいる事は出来ない。

「そんなに煽ったんだ。文句は聞かないぞ。」

そう言って鬼道は、佐久間のズボンを下着ごと下ろした。
そして、硬くなってしまっている佐久間の中心に直に触れる。
些細な愛撫とキスだけで、先端からは先走りが漏れ、ぬるりとした感触がした。

「お前はやっぱり可愛いな。もう、こんなにして。」

「や、恥ず、かしい、です。」

「何を今さら恥ずかしがる?いつもしてるだろ?」

と、言って鬼道は佐久間の中心を先走りで溢れた液を使い、上下に擦って行く。
物足りなさを感じる事のない刺激に佐久間は声を我慢する事が辛くなっていく。

「あぁ、ぁああ。イ、イく。」

「いいよ。イけ。聞きたいんだろ?俺の鼓動。」

そう言って鬼道は更に激しく佐久間の中心を擦って行く。
耐えられないほど甘い刺激に、佐久間はあっさりと熱を吐き出してしまう。

「ごめ、んなさ、い。鬼道さんの、ズボン。汚して、しまって。」

狭い長机の上で体を密着させていたせいで、熱を吐き出した際、佐久間は鬼道のズボンに白濁をかけてしまった。
自分のした事が情けなくて、佐久間は泣きながら鬼道に謝る。

「ん?いいよ、別に。汚した分は身体で代償を払ってもらうし。」

と、言って鬼道は吐き出された佐久間の熱を指ですくい取り、その指を佐久間の孔に入れる。
鬼道は内壁を擦りながら、ゆっくりと指を奥へ入れていく。

「鬼道さん、これ、付ける、のは?」

と、言って佐久間は自分に付けられた機械を指した。
すると鬼道は佐久間の胸に付いている機械を外し、自身の胸に付ける。
佐久間のよりはさらに速い鼓動の音が部屋に響く。

「凄い、・・・・・・速い、ですね。」

「お前のせいだよ。お前が俺の心を乱すから、こんなになる。」

佐久間が恋しくて、触れるだけで鼓動は高鳴る。
それをはっきりと音にされ、鬼道は恥ずかしくなる。
でも、それを表には出さず、鬼道は佐久間の身体を弄ぶようにして、その身体を慣らしていく。

「はァ、はァ、あぁ、んっ。も、鬼道さん・・・・・・。欲しい。」

「煽るなよ。まだ、指1本しか入らないのに入れたらお前が辛いだろうが。」

と、言いながら鬼道は2本目の指を押し込む。
今、煽られたせいで、余計に限界が近づいたし、鼓動も速くなってしまった。
その音を聞きながら、中をさらに押し広げられ、佐久間は喘ぐ。
鬼道の心臓の音が自分のと同じように速く、鼓動している。その音だけで、我慢するのが耐えれなくなりそうだった。

「うう、でも、んぁ、欲しい、です。痛くて、いい。か・・・・・・ら。」

「お前は、苛めっ子か?どうして俺が我慢してるのに、そう、煽りまくる?・・・・・・。煽ったのが悪いんだからな。」

最後の部分だけ小声で言って、鬼道は自分のズボンと下着を下ろした。
そして、佐久間の足を開けさせ、自身の昂りを、佐久間の身体にゆっくりと侵入させて行く。
じわじわと中に入ってくる大きな質量に佐久間は、身体が圧迫されていくような気がした。

「うッ。き、道さん、大、きい。」

「きついか?」

「きつい、です。・・・・・・でも、凄い、気持ち、イ、です。」

と、佐久間が言うと、鬼道の心臓は余計に速くなり、中に入れていた鬼道の中心部分が、ドクリと、大きく脈打つ。

「お前、何度俺を煽る気だ?お前が煽るせいで、俺は、壊れそうだ。」

そう言いながら、ゆっくりと腰を動かして行く。
心臓が壊れそうだった。佐久間が呼吸さえ忘れさせるほど煽るから、何もかもが限界だった。

「ぁあ、あ、ああ!や、落、ちそう!あぁぁぁぁぁぁ!」

急に鬼道が激しく腰を打ちつけて来た。
一瞬、机が揺れ、落ちそうになり佐久間は鬼道にしがみ付く。
すると、鬼道はさらに激しく動き、佐久間の中へ深く入って行った。
何も考える事が出来ないぐらい激しい官能の波にのみ込まれ、佐久間は先に達してしまった。

「まだ、終わりじゃないのは、分かってるだろ?ほら、一緒に動いて俺の事、気持ち良くさせてくれよ。」

「ぁぁ、は、い・・・・・・。」

また、ゆっくりとした動きに変える鬼道。
本当は激しく動いて、熱を吐き出してしまいたい。
それでも、佐久間が好きだから、ゆっくり、自分の動きに合わせて、気持ち良くなって、熱を吐き出したかった。

「もう少し、早く動かしていいか?」

その鬼道の問いに佐久間は小さく頷く。
頷く佐久間を見た鬼道は、少しずつ動きを早くしていく。
佐久間は、苦しげに呼吸して、喘ぎを漏らしながら、鬼道の動きに合わせて行く。

「鬼、道ぉさん、俺、の中・・・・・・あぁぁ。」

「どうした?う、ッ。佐久間、出して、いいか?」

「は・・・・・・い。」

その言葉の後、佐久間は自分の中に熱いものが注ぎ込まれるのを感じた。
ようやく自分の中に押さえ込まれていた熱を吐き出す事が出来、鬼道は一度、佐久間との繋がりを解いた。
凄く、自分の鼓動の音が耳に付く。
激しくて、壊れそうなほど速いリズムを未だに刻んでいる心臓。
その音が収まる気配がなくて、何となく鬼道は不安になる。

「鬼道さん、お預けしていた3日分、清算して下さいよ。」

身体を起こし、鬼道の横に腰をかけながら、佐久間は言った。
鬼道は、そんな佐久間に心電図をつけ替え、もう一度、押し倒した。

「お前さ、本気で俺を殺す気だろ?そんなに煽って、俺の心臓壊して。」

「そうかもしれません。だって、俺がドキドキしてるのと同じぐらい鬼道さんもドキドキしてるって分かって、嬉しかったですから。」

「嬉しいとお前は俺を殺しにかかるのか?」

「はい。だって、鬼道さんを俺だけの物にしてしまいたいですから。」

そう言って佐久間は鬼道の唇を奪う。
この時点で、五条の機械が壊れるぐらい佐久間の鼓動は高鳴ってしまっていた。

「お前、結局壊したな。」

「ふ。五条の機械では耐えられないほど、俺の心臓は鬼道さんで高鳴るって事ですね。」

妙な笑顔を浮かべ、佐久間は言った。

「そうだな。で、清算して欲しいんだな?」

「はい。」

「清算してやるが、ここでか?それとも、場所を移すか?」

と、聞くと佐久間は

「鬼道さんにお任せします。」

と、言って鬼道の胸に手を当てる。
ああ、鬼道さんも鼓動が速くなってるな。そんな事を思い、佐久間はじっと、鬼道を見つめた。

「なら、今日の分はここでして、残りは俺の家でしたいな。」

「はい。」

二人の時間はまだ、始まったばかり。
そのせいで、部室に入るに入れなくて困った奴らは、やれやれとため息をつき、荷物はそのままにして、帰るのであった。

次の日、佐久間が腰の痛みを訴えて、部活と学校を欠席したのは言うまでもなく、五条の置いて帰った心電図は粗大ゴミとなった。

無論、残念がった奴らは数名ほどいたそうだ。
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