捧げ物

□仲良くし過ぎないで!
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まじめに練習したせいで無駄に汗をかいた辺見は、一人だけシャワーを浴びていた。
他のメンバーはさっさと帰って家の風呂に入るとの事。
まあ、辺見としてもその方が身体の疲れが癒えると思うが、汗で身体が気持ち悪いまま帰る気にだけはなれない。
それで、妥協して部室のシャワーを浴びる事にしたのだ。
で、寒いのと冷たいのが嫌いな辺見は、佐久間辺りなら火傷するだろと言い出しそうな温度でシャワーを浴びる。
すると、急にお湯が出なくなり、冷たい水が出始めた。
急に冷たい水が出たので悲鳴に近いものを上げる辺見。
急いで水を止めるが、寒くて震えが止まらない。
とりあえず、服を着て身体を少しでも温かくしようと、身体を拭いてロッカールームの方へ出る。
そして急いでロッカーを開け服を着ようとするが、なぜか置いてあったはずの服が全てなくなっている。
辺見は、寒さで震える体を抱きしめながら、何でこうなったかを考える。そして、どうしたらいいのか考えようとするのに、まともに頭が働かない。
このまま凍死でもするんじゃないかと嫌な事を考えながら、辺見は震え続ける。
すると、部屋のドアが開いて成神が入って来た。
成神は、服を着ないで震えている辺見を見て、意地の悪い笑みを浮かべる。
全然かまって貰えなかった恨みを晴らすべく、寒いのが苦手な辺見を水責めにしようとしていた。
それでわざわざ服を隠した後に、お湯が出ないようにして戻ってみると、ものの見事に辺見は震えていた。

「先輩、寒そうだね。」

「成、神・・・・・・寒い。」

縋るような目で辺見は成神を見る。
成神は、自分を縋るように見てくる辺見に笑いかけながら

「なら、温かくなる事する?したいなら、俺の事その気にさせて。」

と、言った。
すると辺見は成神の前に跪いて、震える手で成神のズボンと下着を下ろした。
冷たくなった手で成神のソレを持ち上げ、口の中に含む。

「わー、先輩。大胆。そんなに寒いの?ガチガチに震えて、歯とか当たるよー。」

と、震えながら成神のソレを口に含む辺見の頭を撫でながら、成神は言った。

「そんなんじゃ、俺、その気になれないな。どうしようか?」

「何でも、するから。だから・・・・・・。」

辺見らしからぬセリフ。
いつでも上から目線で、何があっても態度が大きい辺見とは思えないほど震えながら成神を見つめる。
成神は、そんな辺見を見て、虚しさにも似た感情を覚えた。
違うのだ。成神が求めている辺見は、もっと、態度が大きくて、これぐらいでは挫けないほどプライドが大きいのだ。

「先輩、ごめんね。温かくなる事する前に、先に温まってよ。」

泣きそうな表情でそう言ってから、成神は辺見を強く抱きしめました。
急に心地良い温もりに包まれた辺見は困惑したが、すぐにその温もりに身を任せた。
そうやって、成神の温もりに身を任せていると次第に眠気に襲われて、辺見はいつの間にか眠っていた。
成神は、無防備な辺見に不思議なときめきを覚える。
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